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「イカゲーム」というゲーミフィケーション

「イカゲーム」というゲーミフィケーション 「イカゲーム」シーズン2全7話を見て直感でわかった。これはシーズン1を超える傑作だと。シーズン1を見た限りではここまで人間の汚い面を見せられたことがなかった。むしろ義理や人情に支えられてシーズン1は構成されていたがシーズン2はシンプルに人間の汚い面を視聴者に見せている。キーワードはいくつか設定できるだろう。私は三つのセンテンスに分けてこのシーズン2を総括したいと思う。まず”ゲームのための再ゲーム”というキーワードを選んだ。次に”選挙性と分断性”というキーワードを選び最後に”内外性と暴力性”というキーワードを選んだ。この三つのレベルに分けて「イカゲーム」シーズン2を解析してみよう。”ゲームのための再ゲーム”シーズン2の冒頭は主人公のギフンがゲームの在り方を巡って策謀を繰り広げるところから始まる。だがゲームの黒幕を倒すための策謀は見事に失敗し頓挫する(これがシーズン2内でいう”プランAの失敗”である)。次にプランBにフェーズは移動する。つまりギフンがゲームに参加しおとりとなることでゲームの本拠地をスパイングして別動部隊がそれを重火器類で叩くというフ...
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ゲーム業界は苦境に立たされているのか?

AUTOMATONが記事で2024年末時点でゲーム業界が苦境に立たされていると主張している。具体的なsourceもデータも列挙されていて興味深い記事だ。だがゲーム業界で失業者が増えているのは別産業と比べても特段問題なのだろうか?私はそうは思わない。そもそも資本主義の常識ではレイオフは当然好景気の時にやるべきことだ。日系企業がレイオフをしないのはその伝統的慣習の問題もあるだろう。記事が伝える通り欧米のゲーム業界でレイオフがされている理由はやはり確かにあると思う。簡潔に言うとこの問題はレイオフのタイミングなのだ。日系企業はギリギリの経営危機に陥るか時期が煮詰まってから経営的英断によってレイオフを行う傾向にある。だが本来レイオフとは経営危機や景気後退に直面したときに行うべき企業的判断ではない。日本人の感覚からして外れているが本来は好景気に時にレイオフはすべきなのだ。なぜか?話は単純である。不景気になってからレイオフするのはそのタイミングが遅すぎるからだ。経営が良い状態・企業体力がある状態では当然経営的に余裕がある。その後リセッションが巻き起こる前に加熱する企業的な本質活動に歯止めをかけなけれ...