なぜオリジナル版「Alone in the Dark」は傑作であり新生「Alone in the Dark」の評判は良ろしくないのか?【ゲヲログ1.5向リテイク版】

「デルセト」の屋敷的魔境は「バイオハザード」の元ネタである ※画像Steamより

オリジナル版「Alone in the Dark」が傑作であった理由

オリジナル版「Alone in the Dark」は間違いなく傑作である。なぜそうなのだろうか?まずゲームのグラフィックスが当時としては画期的すぎたことが挙げられるだろう。3Dグラフィックスが極めて先駆的だったころに3Dポリゴンで作った世界。この世界を構成する技術は当時のゲーム情勢に強い衝撃と独特な緊迫感をもたらした。そしてその描画がゴシックホラーとモダンホラーのニュアンスに絶妙にマッチしたことも忘れ難い。3D描画に基づく世界観は超現実的と言って良かったほど構想レベルが高かった。そのかいもあってオリジナル版「Alone in the Dark」は初期の「バイオハザード」に強い影響を及ぼした。「デルセト」の屋敷的魔境は「バイオハザード」の洋館事件の元ネタであり「限られた領域からの脱出」というテーマの首謀者だったのだ。

さらに特記すべき点①定点カメラシステム

オリジナル版「Alone in the Dark」を語るうえでさらに欠かせないのが定点カメラ方式の採用だろう。たしかに3DTPSを作るには想定外の技術力が必要で当時の描画としては無理があった。だが実際実装された定点カメラ方式はオリジナル版「Alone in the Dark」のホラー感をよりシュルレアリスムに増幅するインパクトをももたらした。このゲームがありえただからこそ初期の「バイオハザード」でも定点カメラ方式が採用されている。初期「バイオハザード」のカメラワークの方式に強い影響を与えたわけだ。カメラシステムの面でもオリジナル版「Alone in the Dark」は先駆的すぎたのである。

さらに特記すべき点②独特な超現実的ホラー演出

謎解きと奇妙なトリックを中心とした突拍子もないホラー演出。これもオリジナル版「Alone in the Dark」の魅力である。例えばキャラクターの頓死は事件の究明を遂行する中起こる突拍子もない演出だ。クラシックな3Dポリゴン表現・定点カメラシステムと相まってわけのわからん事象が次々と起こる。それがシュールな世界観の中で表現されるため現代芸術的な表現を実現している。一言で言えば奇作だった。二言で言えばシュルレアリスムなゲームだったのだ。

オリジナルから離れすぎた失敗作新生「Alone in the Dark」

3DTPSの新生「Alone in the Dark」はやはり定点カメラ方式だったオリジナル版「Alone in the Dark」とは基本設計思想において距離的に離れすぎた。3DTPSのカメラ方式を採用するとオリジナル版「Alone in the Dark」から設計思想上かけ離れ過ぎたものになってしまう。時代の要請と言えどもオリジナル版「Alone in the Dark」はオリジナル版「Alone in the Dark」だからこその「Alone in the Dark」だったわけでそれを無理に現代化してしまうと「Alone in the Dark」というIPが元来持つ恐怖感は薄れてしまう。それをそもそも「Alone in the Dark」と言えるのか?やはり歴史を振り返れば言えないのだ。このIPに限らずオーバーホールの過多による失策の典型的事例である。

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