devにPetit Depotto(プチデポット)/pubにPLAYISMが就いて[注:配信プラットフォームによってpubは若干変化がある]制作された「SF人狼系シミュレーションアドベンチャーRPG」を謳うゲーム「グノーシア」のアニメ化が決まっている。IPの凄さの一端は一般経済誌にその評が掲載されることからもよくわかる。東洋経済の記事によればプチデポはたった四人の名古屋のインディーゲーム制作サークルだそうだ。小さいサークルが制作したゲームがアニメIPに変容するのは当のゲームdevとして大層夢のある話だと私は思う。きっと多くのゲーマーもそう思っていることだろう。
この「グノーシア」というゲームは「単独でできる人狼ゲーム」を目指して作られたという。ご存じない方のため超端折っていうと「人狼ゲーム」とは味方のうちに潜むエネミー(これを「人狼」という)を探し成敗するという形式のゲームのことをいう。味方サイドはこのエネミーの無力化を図りエネミーは人狼以外を一人でも多くとっ捕まえて惨殺していく。いわばバトルロイヤルの風味を持っている”元祖あっち系”のゲームの事を「人狼ゲーム」と言うのだ。元来ボドゲでありデジタルゲーム環境が整備された今になって再びネットワークオンラインゲームの新境地として注目を浴びているジャンル。恐らくこのジャンルのゲームにおいて一番有名なIPが「Among Us」だろう。
ゲーム「グノーシア」は簡単に言ってしまうとSFの世界観+シングルRPG+人狼ゲームという様相のゲーム。宇宙船における世界ループという「エヴェレット解釈」のようなストーリーが人狼(このゲームにおける人狼のことを「グノーシア」と呼ぶ)ゲームに強く影響を与えておりこの世界のループと人狼「グノーシア」の双方に対処しながら主人公らは危機を乗り切ることとなる。繰り返すようにシングルストーリーを絡めることで「人狼ゲーム」を単独でプレイできるように適化させているゲームなのである。マルチプレイモードはない。特有のシステムに関してはWikipediaのページに詳しい。
ゲームは2019年~2023年にかけて主要ゲーム環境すべてにおいてリリースされてきた経緯のあるゲーム(もともとはVita向けに作られていたが今はSteamやその他のプラットフォームでも購入可能)。厚塗りのようなグラフィックデザインが特徴的なゲームは今年10月に至ってアニメ放映されることとなる予定。アニメ制作会社にドメリカを据えて作られるこのアニメーション版はストーリー性にこだわっているシングル人狼RPGを原作にとっているからこそできる作り込みが期待されるところ。4Gamerの記事によれば監督:市川量也/脚本:花田十輝/キャラデザ:松浦有紗/音楽:深澤秀行らが起用されて制作されることが明らかになっている。Pにはプチデポットとアニプレックスのかた(それぞれ川勝徹と木村吉隆)が据えられていることも明らかになっている。
このアニメについて言えることは多くはない。はっきり言って原案アイデアとキャスト以外はどこまでが明確になっているかすらよくわからないという印象を私はもっている。ただ原案ゲームはかなり好評のうちに各プラットフォームにて配信されているので”シングル人狼の醍醐味”がどこまでアニメ映像で表現されるかという点で強い興味心を覚える次第だ。なぜゲームはアニメ化されるのか?という評論・テーマについては既存のゲヲログの記事を参照してほしいがこのIPについては特別な試みも含むスケイルの大きい感触を覚える気がするのは私だけだろうか。新しいエンタメの形を提供してくれるかもしれないポテンシャルの高いIPだという感想を少なくとも私自身は持っている。