Kazuko Hosoki was not truly psychic, but a smart businesswoman who understood people very well.
She became successful by reading people’s feelings and speaking with strong confidence and clear, decisive statements.
In the end, she made people believe their future was clear, and that belief relied on simple storytelling.
細木数子とは何だったのか?
私は最初、彼女のことを、全てが嘘で包まれた胡散臭い女に過ぎないと思っていた。だが、YouTubeなどで過去の番組などの切り抜きで彼女の登場シーンをかいつまんで見ていると、わかったことがある。まず、確かなのは、細木自身かなりビジネスマンとして優れた人物だったことだ。今、Netflixのドラマでも話題になっているが、彼女自身、若いころとても苦労した人物だった。その証拠に、細木の生まれは1930年代だ。ガチの戦前である。
ビジネスマンとして有能だった
細木は、日本が敗戦でインフラも何もかもすべてがぶっ潰れた時代に、幼少期を過ごした。弟を連れ食べさせるのにすら必死だったという。その中で東京で、ビジネスを始めた。これが彼女のオニギリ店だったのだ。実に細木は先見の念があったと言わざるを得ない。その時代が、平成のコンビニブーム・令和のオニギリ屋ブームだとかがやってくる、実に半世紀以上前の事である。彼女のランチ屋は、実にビジネスの核心を捉え、サラリーマンなどのニーズにマッチしたものだった。こうして彼女は東京でビジネスマンとして活躍し始める。…たしかに多少ドラマ的な誇張はあるのだろう。では次に細木を定義したものとは何か?
細木の透視力
それが、人の心の機敏を読む能力である。細木は、ビジネスの世界で生きていくうちに、また、それ以前に貧困の中で苦しむ中で、人間の根源的な欲求に対する理解力を深めていった人物である。これほど、細木を読み説くうえで重要なことはないだろう。プロセスではなく、断言する能力を養ったのである。これはつまり、実行力・断言力・必死力の問題でもある。人のプロセスを見るのではない、結果を見るのである。たとえ、それが占いというものだったとしても、その風貌・姿見からわかることを理解してしまう。他人が多く捉えられやすい枠以上のものを見通す透視力があった、と言ってもいいと思う。
理想を語るな・結果で語れ
そして、結果から語る。例えば、寿命・未来・将来など。これは、トランプ的な要素を当時から兼ね備えていたといってもいいとも思うのだ。その人が不安になり、何を求めるか?さらに、それから商品提案するマネジメンター・強い増幅力を活かした煽り屋…と言ってもいいかもしれない。民主的専制の時代を、より早く高速に体現していたからこそ、一定以上の説得力が生まれたのは間違いないだろう。ここでは深くは追わないが、アリストテレスの論にすら似ている点は多い。
欲望の葛藤者
確かにこれは、「客の需要を嗅ぎ取って当てに行くビジネス的平衡感覚」が、形を変えて展開されただけとも言えるし、人によってはそうだととらえられがちである(私の高校時代の教師も「なんであんな人(細木)が流行っているんだ?」と度々言っていた)。苦労人だったのは間違いない・商売センスがあった=ビジネスマンとして有能だったのも間違いない・未来を予見していたかどうかはわからないが時代を先取りする能力があったのも間違いない=いわば占いの理論家としては間違いなく有能だった・何よりも人の欲求や欲望を見る能力に優れていた。
グレーゾーンの女
もちろん、これらの意味するところには、倫理的な問題もあるだろう。つまり、細木数子とは偏に言えばグレーゾーンな人物だったのだ。当然だが、これは法を犯しているとかそういう類のことを言っているのではない。だが、彼女にとっては(また彼女を好機的に見る人々にとっても)結果的に信じさせる能力・信じてしまう力の方がプロセスよりも重要なんであって、科学的根拠とそれを混同させることすら得意だった、ということなのだ。
結果主義と専制性の時代をかぎつけて
現に今、タイパだとかコスパだとか結果主義の時代に陥っている。人々は先導され、その扇動首謀者によって、時代における生死が決まるのである。細木はこれに令和に入るずっと前、数十年前から気付いていた。そして、彼女自身、学歴や経歴とは全く無関係のいわば寂れたリアルな側面から、それらをある種理論的に導出していたのだ。だからこそ今確かに言える。細木はオカルトな人物ではないのだ。むしろ、冷徹なまでに結果に拘り、そこを透視する能力で、逆科学的に何かを見据えた人物だった。
神の存在を信じ疑い離散する
ニュートンが錬金術に拘っていたのは偶然ではない。エジソンが霊界と交信する装置を作ろうとしていたのにすら何か意味があるのかもしれない。唯物で全てが科学的に説明できるならば、哲学や神学や宗教学の理論などは何も要らないはずである。だが、人々は信じることによって何かを得て、救済される。結果的にである。そうして、神の存在を自分の未来の希望へと託していったわけだ。富を獲れば、その時点でその人々から神の存在は遠ざかっていく。人々は救済を求め、巨悪の理論や理想論からではなく、現実的な生命の在り方を巡る結果帰結的な恐怖から世の改善を果たしていった。時代は往々にしてそうして進歩していく。
結局”信じることの才覚”
だが、細木は邁進こそしたが、自信の作った易学派生理論ですら妄信する人物ではなかった。経済的に成功し、富んでからも、何かを信じることの重要性を知っていた。いわば、物事の理性を超越した”何か恐ろしいもの”を、彼女自身の体験から得ていたのだ。この点で、細木には何らかの才覚があったという方が、むしろそれこそ科学的に・現実的に妥当な気が、私はしている。人は明確な答案用紙を求め、世は強い指導者の虚像を求めている。何よりもそこで求められるのは、人物ではなく、実にわかりやすいシンプルな物語なのである。
