2Dゲームは2Dゲームのままで到底収まらない時代がやって”きている”~3Dゲーム「Out To Deliver」にみる試行ローグライト的現象


“Reverse of Cubism”… This phrase is probably the best way to describe the argument of this article.
For example, a kind of dimensional revolution has recently emerged within the indie game sector.
Game systems that blend 2D and 3D are among the most representative examples of this movement.
In this article, the game that gewolog points to as the best embodiment of this phenomenon is “Out To Deliver.”


さて、ゲヲログは去る前編でこのように述べた(ある程度Xで話題になったみたい?ので続きを書いてみる)。「現代の(2D)ゲームは、3D以上の次元をキュビズム的に取り扱うことで、付加価値を高めようとしているのかも…」と。んで、今まさにそういうゲームがあるのである。それが、今俄かに注目を浴びている、【中世騎士ピザ配達命献上型3Dヴァンサバ系ローグライトゲーム】(しっかり解説しようとしたらやけになげえジャンルだwww)の「Out To Deliver」である。

このゲーム、3Dフィールドをヴァンサバ系のローグライトゲームとして取り扱う、ワチャワチャゲームになっているということが肝要なタイトルだろう。というかそれが全てである。よーするに、VS(という2Dゲーム)に対して3Dフィールドでヴァンサバしたらどうなるか?っていうタイプのゲームになってる。まさにそう。それに加えたエッセンスがあって、その内容こそが主人公=中世の騎士であり、そいつがバイクに乗ってピザを配達する…という奇想天外なプロットがあるっていうだけのゲーム。

まぁ、いろんなメディアがこのタイトルについてはそのシステム解説的に報じているので、既報でカバーしていない点をゲヲログでは解説しようじゃん。既に述べたように、2Dのゲームが2Dのゲーム以外の側面や次元称揚の側面をカバーリングするっていうのは重要なことなわけ。というかそういうタイトルが多く出てきているってことを前節で解説した。そうしていくうちに2Dimensionalなゲームが3Dimensionalなゲームに進展することも、ままあり得る。

例えば、「HELLDIVERS」と「HELLDIVERS 2」の関係。「Risk of Rain」と「Risk of Rain 2」の関係。2D➤3Dなんてままあることじゃないか。だけれども、この内実のシステム昇華はいくつものレベリングに分かれているのだということがさらに重要だ、とゲヲログは思う。簡略化して説明すると①2Dのゲーム②2Dのゲームでも3Dの要素を加えたゲーム②’そこに新しい斬新性を抱えたゲーム③3Dのゲーム…と、この三層に分かれているわけ。それがレベルを上げていくようにシステム改変されていく…この構造は興味深い。

例えば、このゲーム「Out To Deliver」はこの例で言うと②’にかな~り近い。ゲームは「ヴァンサバ的なゲーム要素を3D空間へ移植した時に生じる認知のズレ」を遊びに変えているのである。例えば、敵包囲網の方向や角度・敵や自機の移動のための最適ルート取り・オブジェクトとの接近ベクトルといった、本来3Dであるべきである要素が2Dのヴァンサバでは抽象化されていたわけだ。それらの要素が3Dに称揚されることで、一気に「空間化」されるわけ。ここに、空間昇華の深みがあるのだ!

さらに重要なのが、3D化によってゲームが単にリアルになったのではない、ということだろう。コアな部分は、「2Dで成立していたゲーム記号が空間的に再翻訳された」ということなのである。つまり、ここで言う2D➤3Dは単なる描画次元の増加ではない。プレイヤーの知覚構造そのものに変化を及ぼすという点で、実に革命的なのだ。「キュビズム」とは本来、「同時に複数の視点を一枚へ圧縮する」表現である。その真逆がゲーム「Out To Deliver」では行われているんだよな。

だから、最近のゲームには、「2Dゲームのように遊ぶ3Dゲーム」だとか「3Dゲームなのに認知負荷は2Dなゲーム」が急増している。ある種かなり奇妙な構造的問題だよな。つまり、現代のゲームは、「3D化」ではなく「次元圧縮と次元展開を反復するメディア」へ変化しているのかもしれないということが示唆されているように思う。その意味で「Out To Deliver」は、単なるネタゲーではないのだ。「ヴァンサバ的なゲーム文法を”空間化”したらプレイヤー知覚はどう変わるか?」を試している実験作なのである。

冒頭の動画、あんま再生されてないけど間違いなく買うべきゲームだな!