モリカトロンAIラボの記事に見るポストAI時代に向けてのジョブシフトの必要性

2025/1/14にモリカトロンAIラボにとある記事が投稿された。この記事のタイトルは「モリカトロンを訪問した中学生と語るクリエイターとAIの出会いがもたらす可能性」というもの。記事ではモリカトロン株式会社を訪問した京都の中学生がフィールドワークの一環としてAIに関するプレゼンテーションを行いその後モリカトロン株式会社の森川幸人・銭起揚・三宅淳と対談をしたことが伝えられている。この様子をフリーライターの吉本幸記が伝えている。記事の中でこのプレゼンテーションが箇条書きで簡潔にまとめられている。要約しよう。

・20年後にはAIの活用によりアニメ制作にかかる時間や負担は減らされるのではないか。

・アニメーターが置かれている「低賃金・長時間労働」という問題がその一要因である。

・AIが人間の労働力代替手段となるとクリエイター側(労働者側)の失業が懸念される。

・イギリスではイラストレーターの4分の1が生成AIの台頭により失業したデータがある。

・ゆえにアニメーターの収入を守りながら負担を軽減する特化型AIの活用が提案できる。

・違法なAI生成画像から私的利益を得ることを禁止する等の法整備もまた不可欠である。

私はこの話の流れは大まかにいってあっていると思う。AIの出現によって人はある程度は仕事を奪われるのだ。ある種悲惨な事実を中学生が克明に指摘している点は素晴らしいしその後行われた対談ではモリカトロン株式会社の構成員が本気の姿勢で挑んでいる節も見て取れる。今回フィールドワークをした中学生側が話の大筋のプロットを示したならばそれを細かく補完することで対談が成立しているとみるのが自然だろう。細々とした指摘はモリカトロンスタッフの側から真摯にされている。例えば銭起揚と森川幸人はアニメーションの事例を挙げながら次のように言う(冒頭の記事より引用)。

銭:アニメ業界では、10年以上前から原画と原画のあいだを補完する中割りをAIに出力させる研究が行われています。しかし、現状では実現していません。その理由は、現在の画像生成AIは写真や着彩された画像を学習していて、(中割りで使われる)線画を学習していないからです。

線画をインターネットから収集して学習データにしても、線画の品質が揃っていないので、そうしたデータを学習したAIは不安定なものになります。また、線画の品質を揃えるには線の幅を1ピクセルに修正するような作業が必要になり、とても手間がかかります。

森川:20年後には、アニメ制作で人間とAIの役割分担が進んでいると思います。基礎的な作業はAIが行って、最後の仕上げや編集は人間が行う、のように人間とAIが混じったまだらな関係になるんじゃないかな。そもそもどんな作品を作るのか、という最初に発想する部分は、当分のあいだAIが出来そうにないので、人間が行う。発想後の細かい作業はAIにやってもらって、最後に何がいいのか、と判断するところも人間が行うことになると思います。

当然話は常識的なものであり言いたいことはAI産業に馴染みのある人物であればわかっていること・理解できることばかりだ。つまりAIと人間は分業体制がその内容自身を大幅に進捗させながら拡大していくことが述べられているわけだ。AIにできるところはAIに行わせ人間にできることを人間がやる…一見当然のことかのように思うがAIの開発スピードに歯止めがかからない現状を見る限りいつ「明日から君要らないよ☆」と言われる人材が出ることは必然であるかのように思う。私自身それが一番怖いと思うのが正直なところ。次にこの私自身が怖いと思う点についてその対応策も含め自分なりにまとめてみよう。

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