ドライブ・接合・モチーフ止まり
これはどっちかっていうと「作品を完全解剖した」のではないです。「作品を出汁にして自分の知っている思想家や社会現象の知識を目録にしただけ」と言われてもぐうの音も出ないでしょ?固有名詞のドライブ:例えばベンヤミン・アーレント・ケストラー・アリストテレスなどの大文字横文字の思想家を過剰に投入する傾向があって、加えて、現代史との安易な接合もあるっちゃある。インパクトのある社会事件とフィクションのモチーフを結びつけすぎるんだよね。
「似ている」という類似性の指摘でENDは一番ヤバい
最強にヤバいのは「似ている」で思考停止してる点。これは大澤真幸も全く同じことやっちゃってる。「~を予言していた」「~と相似形である」と言うだけで満足。「で、それが現代の私たちにとって具体的にどういう新しい価値(新規性)や行動の指針をもたらすの?」っていう感じですけどwそういう前述した+α領域まで全く踏み込まんでない。例えば、数理的に漫画を解析するとかそういうことも全くない。関係がない。画像解析やってもいいし機械学習やってもいいしTM使って文字的に漫画解析やっても面白いのに、そういう斬新な視点は全くないというか皆無のレベルにまで書籍の内容が落ちすぎ。似たような解説本でも漫画評論家の夏目のほうがいい仕事してると思う。
その事例をもうちょい追ってみる
加えて酷評するけど、いきなし、ベンヤミンとか言われても我ら一般の読者にはわからんでしょw正直。いきなり東日本大震災とかテロ911とか言われてもわからんよ。同じようにいきなり「1984」とかその辺りの本について「攻殻」と比較されても「ああっそう」「そりゃ興味深いね」って言う風にしか評価が加えられないんだよね。なおの事「ネオ麦茶事件」と「笑い男」を比較されてもねぇ。そりゃ悲惨な事件だったから、もっと深く解析するならば、もっとアカデミックな研究をしてくださいと思う。
東工大(現:東京科学大)ってこの程度のレベルなんか?
著者は東工大の文系に近しい領域で博士号を取ってるらしいが…本当にこれで東工大(現:東京科学大)のドクターのレベルなんですかね?それとも、文系に近い領域では東工大と言えどもこの程度のレベルなのかな?ゲヲログ思うに本の本質ってのは、新しい価値を生んでいるかどうかが一番重要なんだ(研究もそうで、学術的に新規性があることが求められる)。本書にはそこまで食指が貪欲に追われておらず、客観的学術性にも欠ける。読む価値がないとまでは言わないけど、少なくとも☆はあって3だと思うよ。無理やり比較するけど、紙屋さんのほうがずっといい仕事やってると思うよ。
