2015年に設立された出版株式会社トゥーヴァージンズ(東京都千代田区)。そのコミックレーベルである「路草」から「サバキスタン」の新刊第四巻目が2025年4月9日に刊行されるという。既刊三巻の様子はゲヲログ別館にそのレビューが詳しいがどうやら第四巻目もこれまでの風味を忘れていない斬新な視点を持った特別な作風になるようだ。かの偉大なる漫画家ちばてつやは次のようにこのグラフィカルノベルを称して曰く。
『サバキスタン』は、群衆が陥りがちな独裁的で狂信妄信的な社会の顛末、というシビアな題材を、ボップで可愛い絵柄と「犬の擬人化」という手法を使って、絶妙なバランスを成立させた作品です。
ちばてつや氏も絶賛したロシアの反独裁コミックシリーズ、『サバキスタン』待望の続刊「革命前夜」4月9日発売!|PressWalkerより引用
ビタリー・テルレツキーが漫画原作を・カティアが作画をそれぞれ担当する傑作グラフィカルノベル「サバキスタン」は第四巻をして新たなる局面を向かい入れることとなる。「王と貴族に支配された時代」をテーマにし副題に「革命前夜」とついているこの第四巻では「革命前の封建的社会を描」かれることが明らかになっている。翻訳そして恐らく解説も新潟国際情報大学准教授で美術史・表象文化論特にロシア建造物論を専門とする鈴木佑也(芸術学博士:ロシア国立芸術学研究所・学術博士:東京外国語大学)が担当する見込み。
傑作グラフィカルノベル「サバキスタン」はテルレツキーの手によってコミックレーベル「テルレツキー・コミックス」からロシア現地で刊行されているロシア発の漫画作品。原作者であるテルレツキーは作画担当のカティアとともに旧ソ連の生まれ。「なんでこれが今のロシアで刊行できるんだ?」という様子の作風の漫画がコレになっている。というのもいわば「路草」公式ウェブサイトが言うようにこの作品は間違いなく「ロシア発の”反独裁(アンチ独裁)”をテーマにしたグラフィカルノベル」であり言論統制が敷かれていて反政府的な言は避けられるこのご時世のロシアでなぜにこれが発行できるのかが一体全体不明なんだが…。
株式会社トゥーヴァージンズはこれまでも自社レーベルで特徴的な漫画作品をリリースしてきた経緯がある。WEB配信にも積極的であり伝統的な出版業界にて斬新な視点・新しい価値を提供することを是としている出版社だ。「サバキスタン」はその日本語訳が日本国内でも流通されるや否やローカルテレビ・マイナーラジオを中心に”小さき旋風”を巻き起こしてきた同社を代表するグラフィカルノベル。発売に先駆けて専修大学の神田キャンパスにて本刊を巡るトークイベントも2025年3月23日に開催されるという(日本マンガ学会)。
自由の意義を問いかける”迷える大国・ロシア”から届いた傑作漫画作品「サバキスタン」。その新刊の予約はもう各店で始まっている。”サバクの人々”=「サバキスタン」という国の物語の持つ真意は王政・貴族政という”革命前夜”の「サバキスタン」に焦点が合っていて再び新たなるサーガの登場を予感させる。さらなる続刊にも期待できそうなコイツだけには飛びついておけ!世のサムライ漫画紳士たちよ。