「超かぐや姫!」は”努力の物語”である


This story starts with effort—Iroha works hard, and that makes everything possible.
Even in a digital world, effort, relationships, and hope keep it human and warm.
In the end, effort is what lets us enjoy life and feel true happiness.
Yes—This is the kind of joyful world shown in “Cosmic Princess Kaguya!.”


これ”努力の物語”なんじゃね?って思うんですよ。だって彩葉は努力家じゃあないですか。確かに時系列順に整理整頓されていて「かぐや姫」という古典文学をテーマにとったデジタルものだってのはわかりましたよ。だからタイトルが「超かぐや姫!」なんですよね。でもねちょい待ってほしい。これって彩葉の努力があってこそあるそれが先駆的な概念にあるからこそ作られている物語でもあるんですよ。しかもそれが絶対前提条件のように思います。設定力とか考察するとかそれ以前の問題なんだと思うんですよ私は。

彩葉の論やこのアニメ作品の論はその点で言えば一足違ってハイデガー・ナチのような危険な行動哲学になっちゃうけど(またその辺りのヤバさ―義体の実現とかね―もネット上では示唆されているけど)そうはなっとらん。努力の後にしっかりと希望的な人間模様を描いている。だから夢や希望を叶えるためにはすべてを乗り越えるブレイクスルーが必要だという彩葉の言葉にはそうっとう説得力があるわけですよ。奨学金を取ってバイトも趣味も勉強も全て自分でやり遂げる。その努力の証を信じ続ける。だからこそ夢が叶う。—努力と関係性が物事の”ブレーキ”として機能しているからです。夢ってそういうもんなんすね。

私が思い出したのは同じネトフリの映像作品の中でも「フラーハウス」です。その前日譚を描いた「フルハウス」は家族の喪失と再生の物語だった。ある日父親に娘が言います。「私には母もいないしおばあちゃんもいない…それに加えて部屋も取られた…こんなのフェアじゃないよ!(It’s not fair!)」父親は言いますね。「どうしたんだ?君には僕がいる・ジョーイもジェシーもいるじゃないか」「君がどんなに母を恋しかったかが分かる」「僕も彼女のことが好きだったからだ」と。「お前と僕はもう長い付き合いだ」「10年だぞ?パパにとっては長い10年だった…お前にとってはどうだったと思う?」と。すると言葉の力に導かれて娘は事情を納得するんですね。

その後妹役の俳優は現実の世界で薬物中毒になります。でもリアルの共演者と共に”励まされて”(このことがどれぐらい凄いことか!どれほどまで偉大で凄い言葉か!)薬物を克服する。そして「フラーハウス」という「フルハウス」よりも比較級的に優れた家族を持つにいたるのです。たとえ血縁の関係にあってもなくてもそれは同じ。ごちゃ混ぜ家族が再誕生する瞬間なんですよね。だからこそあの話は「超かぐや姫!」に通じる面って行動的にまた前提的にあると思うんですよ。—夢と希望を抱くために現実を見てそこに向かって努力し続ける…これがどれほど大変で凄いことか?これを論として立てているんですね。

だからこそ「かぐや姫」は「超かぐや姫!」でありデジタル化したかぐやという義体の物語に相成っている。普通はこの手の“義体化”や“デジタル存在”の話って人間性を削ぎ落としていく方向(冷たい最適化)に行きがちでもある。でも私の解釈だとむしろ逆のベクトルを向いているんです。てかそこが「超かぐや姫!」の凄いところなんですよ。①努力がある②関係性がある③希望に回収される「人間中心の回路」にしかと戻ってきているからです。絶望とかあわよくばの希望に託すんじゃないんですよ。最後のブレイクスルーのために努力によって全部克服する必要があるということを訴えているだけなんですよ。

そしてこの作品は”遊びを捨てているわけでもない”。むしろ遊ぶために人生を楽しむためにどうすれば良いのか?という点を示唆しているように思います。だから月は無味乾燥とした世界で可逆的に地球側から遡及できるものがあるんですよね。地球はかぐやにとって夢のような世界なわけです。やろうと思ったらなんでもできる・一瞬の楽しみを大切にする・それが人間の作る希望である…戦禍に紛れる現代の世に生まれた奇跡的なDigitな世界を見事にクリエイトしたコロリドスタッフに感謝する以外ないんすよこんなアニメ見せられたら…。この物語は古るめかしい“選ばれし物語”ではないんです。“勝ち取る物語”への変換に要素転化しているすよ。努力は“楽しむための条件”になっているんですよ。生きることってマジで楽しいことなんですよ…(涙目)。