BBCニュース – ハリポタ作者、映画出演者を「無知」と一蹴 性自認に対する意見の違いと友情めぐり https://t.co/t88bP8nPRg
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) October 1, 2025
どうやらBBCがかなり詳しく記事で伝える通り俳優エマ・ワトソンと小説家J・K・ローリングの仲違いは真実なようだ。知っての通りエマは今や世界的な女優。というのもローリングの原作を映像化した大ヒットファンタジー映画「ハリーポッター」シリーズに主演俳優の一員としてキャストされているのが当のエマ・ワトソンである。エマはハーマイオニー・グレンジャー役でキャストされ事実上ハリポタ・ワールドのメインヒロインといっていい立場にある。誰もが認めるようにこの作品でブレイクしたのは間違いないキャリアを持っているので原作小説を記したローリングとの不和はかなり驚きをもってして迎えるべき事象のことのようにゲヲログも思っている。
ゲヲログでもかって伝えた通りローリングはトランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪者)であると批判の槍玉にあがったことがある。このエマとローリングの不和もこの性差を巡る微妙な価値観の問題に端を発しているのだ。ローリングはXポストでかってこう述べたことがありそれがトランスフォビアに属する意見だとする論理の名のもとにSNS上で大炎上事件を起こしたことがあるのだ。これについては(繰り返すように)ゲヲログでも詳報を出しているが今一度経緯をまとめてみよう。まずローリングは慈善活動家としてかなり著名な実績を持っているとするのは間違いない。「ハリーポッター」シリーズで儲け上げた膨大な印税を基に慈善団体にかなりの金額を寄付したことがあるのは真実なのだ。だからこそかなり高名な慈善活動の賞の対象になったことがある。
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— Robert F. Kennedy Human Rights (@RFKHumanRights) August 13, 2019
その上でローリングはそれを”はねのけた”のだ。というのも基本的にローリングは性差の問題において「性がなければ同性愛もまたない」「性がなければ女性という性もまたない」「真実を語ることはヘイトにはあたらない」としてトランスジェンダーをあまり積極的に認めていないかのような微妙な塩梅のスタンスを今に至っても崩していないのだ。だからこの賞(アメリカのリベラル団体が管轄している賞「希望のさざ波賞」のこと)を受賞後に辞退しているという経緯があるのだ。このローリングの態度を戒めてエマはこれを批判してきたしそれは主演を映画「ハリーポッター」シリーズで務め上げたダニエル・ラドクリフも批判してきたのである。此処に至ってハリポタ・ファミリーは仲違いに至ったというのがBBCも記事で伝える通りなのである。
スタンスとしてはエマやラドクリフはトランスジェンダーもしっかりとした個々の性権利を持っている…とするのに対しローリングはそれに反することを述べている…という構図である。実はゲーマとしてもこの問題は事実上身近な問題で誰もが無視していいような問題ではないことは間違いなく真実である。というのもローリングはゲームIPとしてこれまた大ヒットを繰り広げた「ホグワーツ・レガシー」というデジタルゲームタイトルに関わっていたりもする。この問題を発端としてリベラル派がこのゲームの不買運動を展開するという事態にまでなり根幹となっている問題がその先端を伸ばすよう発展してしまっているのだ。
またローリングは”新盤ハリポタ”ことファンタジー映画「ファンタスティック・ビースト」にも関わっているのでこの映像IPにも問題の余波が波及する可能性は否定できない。これはかってゲヲログも伝えた通りだがBBCが今回その亀裂がエマとローリングの仲で決定的になってしまっているのだ…と伝える。かって盟友であった原作小説家とその映像版のメインキャストが仲違いにしたということはイギリスのメディアで報じられある種の衝撃でもってして一般市民に受け止められているというニュアンスをBBCは記事で伝えている。誇大的に書いたが言うなればゴシップとしてすごくその立場が際立つ記事内容であるのは間違いないだろう。イギリス人らしい皮肉である。
If sex isn’t real, there’s no same-sex attraction. If sex isn’t real, the lived reality of women globally is erased. I know and love trans people, but erasing the concept of sex removes the ability of many to meaningfully discuss their lives. It isn’t hate to speak the truth.
— J.K. Rowling (@jk_rowling) June 6, 2020
ゲヲログにおいては両者共に理解しがたい問題が転がっているわけではないことを記しておきたい。というのもトランスジェンダーの擁護者(エマ側)も批判者(ローリング側)もよくよくわかる論理の元に言及を発しているからだ。トランスジェンダーを認めるという論理はリベラルの意見としてまた理想主義的な意見として重々わかることだ。またローリングの側もよくわかる論理を持っている。ローリングが曰くところによれば「性差がそもそもなければトランスジェンダーどころか元来の女性という性もまたないのは当然ではないか」というわけでありこれまた納得のいく論理を援用しているのは間違いないだろう。リベラル派がローリングの意見を犯罪予告で彩っているのはだからこそおかしい。意見の多様性を認めるのがリベラルなはずなのにその当のリベラルがローリングの個人的意見を非難するというのはリベラル本来の在り方に適していないのは当然のことだからだ。
この問題は思った以上に難しいのだ。まず我々がゲーマとしてゲームプレイする「ホグワーツ・レガシ―」が槍玉に上がっているのは本来の言論の立場上全く関係がないのもまた間違いない。その意において経済的圧力をリベラルの派閥が特定のIPにかけていることは明らかに論理的整合性が欠けていると言える。ゲームに罪はないのである。となるとリベラルの言動はリベラルの理想道に埋没し陳腐化し下劣化しているといってもおかしくない。そうゲヲログは考える。批判すべきは言論の正常な場において適切に行われるべきであって犯罪予告や脅しによって為されるべきではないし不買運動のような抽象的かつ実利経済的な場面において実施されるべきでもないのだ。要するに関係がない場面に言論の結果を持ちだしている点においてリベラル・トランス擁護派の言動は明らかにおかしく刑事訴追されてもおかしくはない。
またローリングはローリングで若いころ極貧だったころがあるから苦労も知っているし伝統の重要性も知っているのだ…とゲヲログは推察する。その意においては保守派である伝統的な理由付けがあって当然だしトランスフォビア的な発想を元来持っているということもまた当然理解できないわけではないのだ。そしてゲヲログはどっちかというとむしろリベラルやトランスジェンダーの擁護派なのである。当然のことだがトランスジェンダーの擁護派も批判派もどっちとも犯罪を目して相手方を脅したりしてはいけない。これは当然のことだ。言論の自由は言論の責任ということでもあるはずだ。当事者が相手方を罵りおとしめる言論展開をしては冷静かつ建設的な議論はできない。特定のゲームIPの売買活動に何らかの悪影響を及ぼすことだって当然この論理の上ではおかしく場違いすぎる行動主義なのである。エマが罵られてはいけないと同様にローリングもまた罵られてはいけないのである。少なくとも…これだけは確かなことと言えるのだろう。