ゲーミフィケーションは単なるバズワードか?【1.5&2.0同時投稿記事】

ゲーミフィケーションの実例

東京都千代田区のゲーム系人材派遣業を主として生業とする株式会社リンクトブレインが「ゲーミフィケーション設計サービス」を正式にリリースした。このサービスは5つの要素から構成される。それがSurvey(調査)・Focus(ユーザー分析)・Select(軸の選定)・Apply(メカニクス応用)・Accept(実装・視覚化)の5つである。会社のHPによれば「クライアント企業は自社のアプリにおけるユーザーの継続率や満足度を向上させること」が可能になるという。価格50万円から提供。このプロジェクトはヘルス・生活・教育・販売・広告・自治の分野で既に利用されているということも明らかになっている。また「アプリの開発やデバッグ・負荷テスト・セキュリティ脆弱性評価などリリースまでワンストップで支援可能」ということも同時に明らかにされている。

ゲーミフィケーション=単なるコンサル?

私がわからないのはこのサービスが果たしてゲーミフィケーションの一貫と言えるかどうかという点だ。例えばこの程度の5つ程度のサイクル・スキームを回しているのは汎用コンサルでも十分できるものでありかつ事実として理論に基づきやっていることだからだ。だからリンクトブレインという株式会社がどうやって個性的にこのプロジェクトを他社にプッシュしていくかが問題である。このプレスリリースから見るとこのプロジェクトは単なるコンサルタントのやっていることであり厳密にはゲーミフィケーションとは言えないと思う。ゲーミフィケーションとは「ゲームの持つシステム系をゲーム以外の分野に応用すること」であり単なるコンサルテーションのことを言うわけでないからだ。

当該プレスにある矛盾になっている文言

またプレスを見る限りではゲー厶に対する誤解と受け止められかねないような文言もある。「ゲームは「説明がなくても自然と使える」「つい続けてしまう」「目標に向かって楽しく行動できる」といった特性を持っており」…云々と続くがそもそもこの文言が矛盾している。ゲームは決して「説明がなくても自然と使える」ものではないと私は思う。そうだとするとチュートリアルなんてものはどんなゲームにもいらないはずだし文言として明らかにオカシイのだ。けっして批判するだけではない。同社にはゲームにまつわるノウハウが多数あることも事実HP上でアピールされている。これは個性的で素晴らしい点・輝かしい実績だ。だからこそゲーミフィケーションという言葉を使ったのだろうが若干言葉だけが独り歩きしている感は否めないと私は言っているのだ。

問題は汎用化している

実はこのゲーミフィケーションをまつわる誤解は数々の関連企業さんで巻き起こっている問題なのでこの会社さんだけが悪いわけでもなんでもない。日本のゲーミフィケーションの御大と言える株式会社セガ エックスディーでさえ同じ間違いを度々しているからだ。例えば先だって公開された市場規模のプレスも同じだろう。そもそもゲーミフィケーションという繋がり方は実は単純に言ってシミュレーションの科学の応用面のことでありどっからゲーミフィケーションの仕事でありどっからがゲーミフィケーションの仕事の範疇外であるかという定義をすることは極めて難しいのである。だからこそ「この市場規模盛ってんじゃね?」っていう批判的な提起はできると思うんだ。

ゲーミフィケーションは単なるバズワードか?

この意に置いてゲームはシミュレーション処理のことだからゲーミフィケーション自体がバズワードであるという意見はあながち間違っていないと私は考えている。もちろん一介のプレスを引き合いに出して畜生が洞察してみただけなので反論の余地もあるだろう。「その曖昧な定義に対する批判はオカシイ!我々はもっと厳密にやっているんだ!」っていう反論だ。これはマジで大歓迎。むしろ議論を活発かつ生産的にすることに疑念の余地がないので良いことだと思うんだ。だけれども総じてゲーミフィケーションって単なるKPIのことじゃね?っていう批判は根強いのだ。ゲームがプログラムで支えられてる以上それはもうひとつのワールドを作っているに過ぎない。誤解を恐れず言えば根本的にゲーミフィケーションというワードはバズワードなのだ。自戒も兼ねて考えてみた。

※文章アプリやサービスの継続率・エンゲージメントを高める 「ゲーミフィケーション設計サービス」を提供開始 ~ゲームの企画開発で培ったユーザー行動設計を活かすサービスを提供~ – 株式会社リンクトブレインより引用

タイトルとURLをコピーしました