太古のFPS「Marathon」シリーズを振り返ったうえで新生「Marathon」を批判する

FPS「Marathon」シリーズの思い出

私がFPS「Marathon」シリーズに魅せられたのは小学生の頃だったと思う。初めて本格的にプレイしたFPSが「Marathon」シリーズ特に「Marathon 2: Durandal」だったのだ。とはいっても当時はWindows95で評価版をやっていただけである。製品版を手にすることはゲーマーとしてひとつの夢だった。アテインから出ている日本語版を購入する以外なかったからそれは消防の私には敵わない夢だったことも事実だ。今「Marathon」シリーズがそれほど魅力的だった理由を再考してみたい。

下手なSFよりも良く出来ているサイバーサイコティスティックなストーリー

このゲームはストーリーがマジで本格派である。その辺に転がってるSF小説より良く出来ていてターミナルという情報端末を通じてAIと情報交換をしながら星系にまつわる謎をひとつひとつ解いていくプロセスは本当に良く出来ていた。狂気に駆られたAIに獰猛な地球外生命体それらを相対して繰り広げられる激しい銃撃戦・当時としては珍しいボブという味方キャラクター,,,ハードSF+サイバーパンクSFの融合。どこをとっても突っつきようのない見事な物語構成。これを高レベルの統合能力で実現していた神ゲーだった。

良く出来たUIに代表される適度な情報量を備えた設計

敵の位置をレーダーで知ることが出来る点を始めとしてUIの作り込みも凄かった。単純なUIでも工夫次第で空間把握ができることを証明していたと思う。ゲームの色彩を際立てるグラフィックスや3Dシステムの設計も秀逸だった。プフォールもスフトも特徴あるカッコいいデザインで描かれていたし後出世作となる「HALO」シリーズや「Destiny」シリーズの土台がこのFPSで設計済だったという感じ。今のZ世代でも知っているBungie製FPSの先達の設計力は間違いなく「Marathon」シリーズにあったのだ。

手にするたびにワクワクする実存性ある銃器類

シリーズの初作「Marathon」は謎解きに重点が置かれており武装の面ではそうでもなかったがシリ中最高傑作とされることの多い「Marathon 2: Durandal」には多数ガジェット感のある新式のSF銃器類が登場する。大口径マグナム・グレネード装弾機能付マシンガン・ショットガン・フュージョンピストルその他多数…そしてなによりも鉄拳である。そうしたガジェット感のある武装をマップのところどころで手にすることが出来る。ワクワク感が半端なく最高難易度を劇的な展開で潜り抜けたときの脳汁はマジで凄かった。多数いる敵エイリアンプフォールとの激闘を何度も再現してはこのアドレナリン的な快楽に浸ったものだ。評価版だけでよくここまで遊んだな…と今になって思う。

シングルFPSとしての攻略性+当時としては珍しく実現したPvP

もちろん「Marathon」シリーズはシングルFPSが主体である。そのやり込み度が凄まじく深かった点も忘れ難い。伝説を作った日本人がヴィドマスターのMiha氏だった。これはゲーム「Marathon」シリーズのシングルプレイが上手い人にだけ与えられる公式称号であり日本人で一番有名なヴィドマスターがMiha氏だった。今でこそRTAランなどがオフラインゲーム大会のように開催されているがその数十年前にこのFPSはその手の高度なプレイスルーを実現していたのだ。またMarin氏などを初めとするPvPの達人も参加する大会だって国内で開催され高レベルなFPSの技も数多く生まれた。PvEだけでなくPvPはたまたPvPvEもネットワーク環境で実現していたことは今でも驚きをもってして迎らえていると言っていいだろう。

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