「ガンダム」で有名なサンライズと「エヴァンゲリオン」で有名なスタジオカラーが最強タッグを組んで制作する「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」のテレビ版の放映開始が迫ってきている。日本テレビ「火曜プラチナイトアニメ」枠内で放映される。放映開始日:2025年4月8日。監督:鶴巻和哉(私自身は代表作「龍の歯医者」だと思っているかた)。Amazon PrimeやNetflixほかネット配信も有。唐突だがこのアニメ放映予定の報を受け「あれ?おかしいな…」と私は思った。「”ジークアクス”って劇場版公開されてて軍事専門家の高橋杉雄先生が絶賛してなかったっけ?」と。
…というのも劇場で公開されていたのは先行放映版の「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」である。つまりテレビシリーズで放映される予定の冒頭部分をかき集めて作った集約版だということだ。”ビギニング”っていう単語が全てを表している。よーするに劇場版は冒頭部の集約でそのアニメーションの本筋のほうはテレビシリーズできちんとした形で公開されるということなのだ。このアニメーションで描かれるガンダムのワールドはいわゆる「一年戦争」でジオン公国が勝利したという設定で作られるものだという。つまり「もうひとつのガンダム」を描く物語になるのだ。
Xではテレビ版つまり本丸が12話構成であることに驚きを持って迎えられたことは記憶に新しい。この話構成は総合アニメーションイベント「AnimeJapan 2025」で公開された情報。情報公開当日はガノタXerの意見では「この尺で大丈夫なの?」っていうものが飛び交っていたことも未だに新鮮。オタク総研が伝えるところによれば「「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」が全50話(4クール)「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が全24話(2クール)であった」という。比べると…あくまで”比べると”だが…”短すぎる”のは明白で心配になるのもよくよくわかる意見である。私自身は短さは完成度に関与しないと思うが(「サイバーパンク エッジランナーズ」は12話構成だが絶賛されたこともあってか)それでも心配しながら期待しているのが本音。
ここからは私見だがサンライズとスタジオカラーがタッグを組んだのは当然のことだと思う。今はライバルと言われる企業が互いを排除せず牽制しながら互いの利潤を確保するやり方が業界問わずトレンドだ。ディズニーとピクサーが組んでいるようにアニメ業界でも(IT業界におけるGoogleとMSのように)金儲けのやり方が巧妙化しているわけだ。昔と違って経済が右肩上がりにならない傾向になっていて個々の企業のマージンが減っている。となると手を組んで新しい価値を生み出しそこからお互いの社益をキープするというやりかたがごく自然になる。ガンダム・エヴァというロボットアニメで有名な双頭が手を組むのは実は裏を返せば当然のことなのだ。この「牽制と提携」の論理はあまねくビジネスチャンスであることは私も度々論じてきた。それがないのであれば「XboxにYouTubeが搭載されること」は経験論的にあり得ない。
EDテーマ曲には劇場先行版挿入歌と同じVTuber:星街すいせいの「もうどうなってもいいや」が採用される。また主題歌には音楽家:米津玄師の「Plazma」が劇場先行版と同じように採用されるという。なお「ミッドナイト・リフレクション」byボカロP:ツミキは劇場先行版の挿入歌である。このようにネット音楽文化と強くコネクトしているのも斬新なところをビリビリ感じる次第。高橋杉雄を始めとして「ガンダム見に行ったらガンダムだった」という感想が今作を含めた同シリーズの伝統の部分と革新の部分を表しているように思える。しばらくぶり・待望のガンダムテレビアニメーションということで「水星の魔女」以来の感動を期待して放映開始を待ちたいところだ。