人工知能の進歩
前述のトイ・プロブレムとは探索・推論の研究によって1950年代に進んだ研究課題に過ぎない。探索木の幅優先探索では最短経路でゴールにたどり着ける解を必ず発見できる(深さ優先探索とは違って)。AIにおけるプランニングとはSHRDLUやSTRIPSに代表される行動計画を探索によって作成する技術のことである。イライザ(人工無能の代表例)や東ロボくんにはこのプランニングは用いられていない。Mini-Max法とは完全情報ゲームにおける自分の版でスコアを最大にし相手の番でスコアを最小にするような手の決定手法を探索に据えたもののことを言う。またモンテカルロ法とはすべての評価をブルートフォースアタックのごとく網羅的に扱うシミュレーションの手法のことである。第一次AIブームが機械処理(対トイ・プロブレム)ならば第二次AIブームは知識表現とエキスパートシステムがその代表格(MYCIN…血液中のバクテリアの診断を支援するエキスパートシステムのこと.DENDRAL…有機化合物探索特定のためのエキスパートシステムのこと.などが該当)である。Cycプロジェクトとはヘビーウェイトオントロジーに該当する(ニュアンスとしてはすべての常識をコンピューターにオントロジー的蓄積として哲学的に詰め込むものでブルートフォースの知性版ともいえる)。他方ライトウェイトオントロジーとはデータマイニング・LOD・ウェブマイニングが挙げられる(こちらは実用性を重視した工科系のオントロジーモデルである)。第三次AIブームはディープラーニングのことを指す。その事例.AlexNet…畳み込みニューラルネットワーク(2012ILSVRCで優勝).VGG…16層までの学習に工夫(2014ILSVRCで評価).GoogLeNetモジュール..Inceptionモジュール(2014ILSVRCで優勝).ResNet…スキップ結合(2015ILSVRCで優勝).SENet…Attention重みづけネットワーク(2017ILSVRCで優勝).