同じローグライトでも私が「UnderMine 2」には期待しても「Orcs Must Die! Deathtrap」には期待しない理由

同じローグライトでも私が「UnderMine 2」には期待しても「Orcs Must Die! Deathtrap」には期待しない理由をここで説明しよう。理由は簡単で同じローグライトでも前者は部屋クリアリング型のローグライトACTであり後者はタワーディフェンス型のローグライトACTだからだ。両者は同じ共通項というローグライト要素を持つゲームだがその内実はかなり違うと想定されるのだ。私がタワーディフェンス型のローグライトに期待しない理由はゲヲログ2.0に詳しいがもう一度それを説明してみる。

基本的にローグライトゲームは繰り返しのロールプレイのループの中で新しい発見を得たり違う攻略法でルートを開拓したりすることに愉快さを覚える形式のゲームである。その中で決定的にかくあるべきゲームの姿が見通ってしまうとロールプレイの愉快さのバリエーションが乏しくなり結果が簡単に決まってしまう。そしてタワーディフェンスゲームというのはその最適化たるプレイ要素がそもそも決まっているものなのだ。だからタワーディフェンスとローグライトは実は相性が最悪なのである。もうちょっと詳しく説明しよう。

タワーディフェンスはマップにおいて定型的な攻略法に基づきオブジェクトを配置すればそれだけでクリアへの道筋が立ってしまう。同じマップの中で攻略最適化される手法が暗にあるのだ。つまりゲームの攻略プロセスがわかりやすすぎてこうすればこうなるなという想定内に収まってしまう。A地点にはこのオブジェ・B地点にはこのオブジェ・C地点にはこのオブジェというように開拓しがいのないゲームになってしまうわけだ。だからローグライトタワーディフェンスは元来クソゲーなのだ。ゲームのやり方にACT要素もなくとりわけ型にはまったリアルタイムシミュレーションになっているからこれは当然のことである。

だからこそゲームを作り込みたいのであればローグライトタワーディフェンスゲームは忌避したほうが良いジャンルである。ゲームというものは画面に映し出されたプロセスを結果に結び付けその賭けの性質に興じるためにやるエンタメである。そこにコインを投下して決まりきった反応しか画面に映し出されなければ当然退屈でたとえはじめは面白くともそう経たないうちに面白くなくなるだろう。だからこそ同じゲームシークエルといっても「UnderMine 2」は期待できる一方で「Orcs Must Die! Deathtrap」には期待ができないのだ。後者はゲームのゲームゆえの賭けの性質に極めて乏しいからだ。

これを一言で表すのであれば”最適化の問題”ということとなるだろう。ベルトスクロールACTゲームだって格闘ゲームだって大概のゲームは最適化されるべき動き・ムーブを頃合いよく発見するプロセスを重視しているジャンルである。だがタワーディフェンスではその答案を出して得られる回答がワンフレーズにハマってしまう。リプレイ性がないと言ってもいいかもしれない。だからこそタワーディフェンスは作り込むのが相当難しいわけである。もちろん工夫の余地はあると思う。タワーディフェンスでもリプレイ性の高いACT系システムを導入することは一つの手法だろう。「Orcs Must Die! Deathtrap」も確かにそうしてはいる。

だが基本的に私は「Orcs Must Die! Deathtrap」は期待値ばかりデカくても大した評判が得られないゲームになってしまうと考えている。少なくとも相当綿密で難易度の高いタスクをゲーム開発筋がこなさなければこのIPも今季限りで終焉を迎えるだろう。辛口だがこの論に反論できるだけのインディーゲーム開発者の意見は見たことがない。誇張して言えばタワーディフェンスはそのタグが付いて回っているだけでほぼあまり良くなくて少なくとも飽きの速い長くプレイはできないジャンルのゲームなのである。コスパが良くないどころかタイパも良くない。レビューベースで良いゲームに仕上げるのには「UnderMine 2」のようなローグライトACT性のあるゲームのほうがずっと簡単なはずだ。

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