ライブドアによる錬金術とは一体何だったのか?【1.5&2.0同時投稿記事】

本質は単なる財テク


「人の行く裏に道あり花の山」

結論から言うと単なる財テク(の応用)だということ。バブル期にやっていたことを踏襲して規制緩和で認められた新手法に基づいて財テクの派生をやってただけのことなのだ。ある意においてはとても古典的なやり方ということもできる。だってバブル期にやっていたことをちょっとからくり深くしただけなんだから。ライブドアがやっていた錬金術には二つ手法がある。まず「株式分割」。次に「株式交換」だ。ひとつづつ解説しよう。

第一の手法「株式分割」


「ピザをいくら細かく切っても量は増えない」

「株式分割」について。この分割自体が悪いことなわけではない。例えば一株1000円のところを二株に分割すると一株500円になる。これが極端にシンプルな事例だ。ではなぜ「株式分割」するのか?もちろん単価が下がるのでより多くの投資家が参画できるようになる。資金力に劣る個人投資家などが従来高値で取引されていた株を求めやすくなる。このこと自体はルール上当然認められている。例えばカプコンなどもそのHPに載せているように社歴の中で戦略的な「株式分割」は度々してきた。流動性を高め投資家の関心を誘うこと自体は悪いことではない。当然ルールに基づいてやる「株式分割」は適法だ。

第二の手法「株式交換」


「人間とは取引をする動物である」

だが分割した株式を吊り上げるためにできることはいくらでもある。粉飾決算がその手法のうちのひとつだ。日本共産党の機関紙赤旗のとあるソースでは直接的な粉飾決算をこの時点でやっていたか否かまでは踏み込んで書かれていない。だが明らかなのは二つ目のライブドアのファクター「株式交換」であるという。企業買収において将来の自社株価を手元に有利な買収提案をすることができる…このシンプルな買収のルールをライブドアは悪用したのだと赤旗は主張する。要するに分割しまくってソイツを元手に交換式の買収をしまくる。実態の株式から逸脱し経営実態に見合わない巨額買収を繰り返す。そうすることで時限的でかつ極端なセルフバブルを引き起こしたのだ。

バサロ泳法は禁忌か?


「真ん中にグレーゾーンがありそこが一番広い」

ただ「株式分割」と同様当然正当な「株式交換」も当然ある…冒頭でも書いたがこれでは単なる財テクの応用である。どの新興企業も重々とやってきたことなのだ。要するにコアな問題はいわばこれがバサロ泳法に該当するのか否かなのかということである。どこからが違法でどこからが適法なのか?という線引きの難しいところをやってのけたのがライブドアという会社だったわけだ。方法はありきたりの財テクの応用…だがこれが閾値を超え多くの市場の混乱を招くに至った。ここまで来ると市場の管理側も投資家たちも黙ってはいない。当然責任者は処罰されたというわけ。これがライブドアの錬金術とその実態的な結果だったのだ。

消えたライブドアと適正な株価を目指すバークシャーの実存的違い


「辛抱する木に金がなる」

当然市場の反応も事後冷ややかだった。錬金術という小学生でも理解できる財テク手法が明るみになるに従いライブドアは解散され解体された。堀江はその後賠償に応じたことを自身のYouTubeチャンネルで語っている。結局錬金術は存在しなかった。それは仮想的なマネーを増大させバークシャーのような経営実体を反映した適正な株価の価値観・価値概念からは逸脱し一時的なセルフバブルを引き起こしただけだった。無から有が生まれるわけがない。それをあたかもビッグバンのように輝かせた(と見せかけた)時点でライブドアの将来は決まっていた。事実ライブドアはこの世から消えまたこの世の投資・投機の世界で生きる人々の記憶からも忘れ去られつつある。

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