「Dive The Depths」のデモ版をちょっとばかりやってわかったことがある。それは「間違いなくこのローグライトは世界に通用する!」ということだ。なぜ私がそう思ったのか?理由を列挙して示していこう。この開発:Frizuo 配給:Starpixel Studiosの布陣で作られる独創性の高いローグライクアクションゲームは邦語のメディアではdoope!ぐらいしか期待してないようだが私としてはそこに無限の可能性を感じた次第である。
舞台設定が魅力的である
このローグライクアクションは深海をテーマにしている。この手のダイビングゲームだと「デイヴ・ザ・ダイバー」などが類似品として提示できそうだがアレの比ではないほど世界観とこの深海という舞台がマッチしているのだ(念のため言っておくが「デイヴ・ザ・ダイバー」もそのゲーム性はクソだが舞台設定とか世界観は素晴らしい)。…というのも深海をテーマにしたゲームってのはクラシックすぎるほど暗く画面の色彩面で乏しさを覚えることがあまりに多い。これまでのダイブ系のゲームは現にそうでアンバランスな世界観を提示しすぎていた。この点でこのゲームも確かにグリーンを主体とした暗めの色彩に溢れてはいるがドット絵に上手く工夫を施すことでその色バランス・世界バランスに最大限配慮が出来ている。だから舞台設定が独特で魅力に見映えた。
UIの出来が神レベルである
もちろんドット絵が神レべなのは確かである。2Dで粗目に練り込まれたドット絵はマジで凄い出来だ。前項で述べたように世界観と絶妙にマッチしている。だがそれに加えてUIが神クラスに凄いということも事実として指摘しておこう。例えばアイテム画面・スロット画面を開くだけモリモリUIが動く。いわば深海を舞台にした新生「ブレードキメラ」のようである。画面の遷移とか画面の動向に興味深く感受性を豊かにしてゲームに挑める…というのが正しい表現だろうか。萎えることなく画面の動静にバーニングしてゲームの世界にのめり込むことが出来るのだ。
難易度設定が適切である
この手のローグライクアクションは難易度設定という困った要素があることもままある。確かにローグライクアクションは難易度設定というものとは相性がよくない。というのも一回のプレイもしくは回数を重ねたプレイでローグライトはクリアするブツである。多段的に納得感を事前折り込みしてしまう難易度の設定とは本来向かうべきゲームのベクトルが違うのだ。それがプレイクリアでアンロックされていくようだと矛盾はあまり感じない。だがこのゲームの場合最初っから難易度設定が出来る割にその個々のプレイサイクルが上手く回るように設定されていてやりこみ性に萎える点がない。だから難易度の設定とマッチしていてやっていてメンドクサイ感が皆無なんである。上手く出来ている。
拡張要素が豊富である
もちろんバイオームの深みも凄いが総じてスロット的に拡張していくゲーム性の展開要素も見逃せない。例えばボスは多彩だし飽きがこない。もちろん倒せたときの達成感も半端ない。このゲームは「ダークソウル」のメカニクスに影響を多少は得ているものと思う。うまくアレンジが効いているのはアイテムメカニクスの点でもそうである。ステータス自体を強化するアイテムだけではなくマクロ的にゲームの進行動静を左右するインパクトインフルーエンスなアイテムまで相当多彩なものが揃っている。拡張要素がすごく多くどれも凝っているのでシステム系に面白味・新鮮さを覚えることができるのである。
つまり一言で言うとこのローグライクアクションゲーム「Dive The Depths」はすごくバランス感に優れていて矛盾とか蛇足とかのネガティブになりがちなゲームの要素を最大限排除することに成功している。スリムなうえゲームとは本来こういうものではないかと感じられるほどビルドアップの点でスゴミを感じることが出来るのである。要するに完成度が凄い…この一言に尽きる。あと数時間後には本編がリリースされる。間違いなく「非常に好評」レビューは固く譲らんだろう。