
リトバスの音楽は素晴らしい。熱血漢あふれる曲もありながら「スローカーブ」のようなミディアムテンポな曲もある。極めつけはやはり「Song for Friends」だろう。この曲はここでカバーしているかたがいるけれどもやはりテーマは一貫していて「友情」に徹する。これが光り輝くときに学生たちは恭介の用意したハイエースに乗って「俺らだけの修学旅行」に旅立つ。だーまえや折戸さんの曲はここでいったん収束しているけれどもやっぱすごい曲を作るな―や思う。ポップスに影響も受けていろんなジャンルから取り寄せて作った魅力的な世界観にあふれている。
この音楽聴くと思い出すことがある。俺が長期休暇の図画工作の課題で張りぼての風力式の車を作ってきてこれをある友達に壊されて泣いたことがあった。だけどもそれはヤワなものであって誰もが壊す可能性あったからその友人が悪いわけではない。俺は俺が壊したことにしてその件は先生にばれずに穏便に済んだ。その後友人は転校していったがしっかりと謝ってくれた。俺は「もう過ぎたことだからいいんだ」といった。俺らが感じた感情はまぎれもなく「友情」だった。それがどうやって培われたか?なんてことに答えは必要なかった。感覚的に誰もがわかっていることだが友情に理由はいらなかった。理由のいらん友情まさしくそれが誇りだったんや….。願わくばその友人にも今でもそのように俺らの共有できた「友情」を誇りに思ってほしいと思う。
リトバスのテーマはまさしく俺らリアルにいる人物にも首尾一貫するかけがえのない俺らだけの青春・それをつなぐ友情のことに他ならない。だからいままで出会った”友人たちに捧げる歌”があるとすれば俺を嫌った人にも俺を好んだ人にも俺に謝ってくれたその転校していった友人にも等しくその恩恵を受ける権利があるはずだ。人間が生きることは苦しいことだけれどもそれゆえ存在する希望や理想そしてそれを確固たるものにする「友情」は確かなものと曲を通じて教えてもらった。「フルハウス」でいう親子愛も含めて、実は人間は同じ糸「友情」でいつだってつながっている。誰もがそれを本性の部分で大事にするがためそれ自体が壊れるのを恐れる。だからこそ人生は辛くも面白い味がある。
でも明日は昨日よりより良く進歩(fuller)した思い出になるはずだ。