Steamゲームレビュー「Alabaster Dawn」デモ版

インディーゲームイベント「BitSummit the 13th」にも出展されていたというゲーム「Alabaster Dawn」のデモ版がSteamでプレイアブルな環境にある。名作アクションRPG「CrossCode」を手掛けたRadical Fish Gamesの最新作。最初のボスを倒すまでプレイしてみたのでレビューする。結論から言うとかなり期待できそうな一作。ただ超感動作になってくれれば…という要望はある。というのもこの手のRPGだとやはり根源的にストーリーで泣けるような一作になってくれないと達成感・プレイ後の余韻があんまりない…そんな年齢にゲヲログもなってしまった!そこがあれば間違いなくこのゲーム100点である。クリアまで60 時間を想定しているというアクションRPGの大作になる見込みであることはゲヲログでも既に伝えてある。EA環境でそう遠くないうちに配信されてフルリリースは2026年上半期になる見込みだそうな。

デモ版では超進化を遂げたアクションRPGの神髄をまざまざと見せつけられたといって過言でない。アニメーションもグリグリ動くしドット絵の活きの良さが現れながらもヌルヌル動く感じのギミックがかなり好印象。「CrossCode」でできてた固い作りがさらに完成度増してcomebackしてくれたって感じである。例を挙げて簡単に言い表すとたぶん「オクトパストラベラー」のそれだ。ストーリーは簡潔である日星に隕石とかエイリアンみたいなパワーが降りてきてソイツらを迎撃しながら緑の開放地を広げて行く…まぁこんな様子だ。「Nyx」の呪い・神々の消失・世界の荒廃をJunoがどう克服するかを描く勧善懲悪にならぬタイトルっぽい。前作「CrossCode」が若干SFっぽさ・ポップっぽさ・コメディっぽさがあった一方でシビアな内容になっていると私は感じた。この傾向は大歓迎。理由は前作はSFに手を付けすぎた感があったから。

前作「CrossCode」で出来ていたアクションRPGのギミックを受け継ながらもその完成度はさらに上がっている。攻撃は体幹力に影響を及ぼし一定値そいつがたまると相手はスタンする。つまりSEKIROみたいなシステムを2Dに落とし込んだ一作になっている。そしてその周りにパリィや貯攻撃が位置しているっていう感じだろうか。マネジメントのシステムも豊富で武器ごとに使い分けができるほか武器レベルとかボーナス割り振りが豊富にあってアクションRPGとしてゲームとしての展開力に優れている。捻りが効いていて飽きがこない…というかハクスラって言ってしまえばハクスラなんだが絶妙なハクスラになっているっていう様相を呈しているんだ。同じアクションRPGやハクスラものでも「Hades」IPとかとは全く違ってて噛み応えのある純粋なアクションJRPGっていった方が表現として適格だろう。

遠距離武器やドッジ・パリィでステージギミックをどんどんクリアしていく。謎解き要素は少なくなっているのかもしれないがその間ギミックでオセオセな感じ。基本システムは「CrossCode」を土台にしているだが謎謎が多すぎたというこの前作での反省点を踏まえて改善&設計されているのかもしれないね。デモ版で確認できたのはクロスボウ式の遠隔武器でスイッチギミックを推していくだけである。込み入った謎解き要素が確認できたわけではなく簡単にクリアできる一連の条件がステージのシールドウォールを開放していく案件になっているようである。ウォールを破っていくとそこからステージの開放領域がドドンと広がっていく感じである。これがまさに主人公Junoが表現する「人類の再生」っていうこのゲームの根幹に位置するテーマだね。ゲームの開発目標がかなり野心的でいくつもの分野のマージであろうその分このゲームにはストーリーの完成度の高さを私は個人的に求めたい。

メインクエストとサブクエストはデモ版の最初のチャプターをクリアすることで解放されて踏破できるようになっていく。この辺りはデベロッパの前作「CrossCode」でもRPG風に実装されていた機能だ。より遊びやすくなりつつもゲームの噛み応えが十分配分されていて上手なゲームの作り方が十分出来ている印象を持った。デヴェロッピングが至極丁寧なのだ。ローカライズ面でも日本語も実装される見込みなようでデモ版ではJapaneseの選択が出来る(ただ今のところその選択肢があるだけで日本語環境でデモ版をプレイすることは私自身出来なかった)。ローカライズがきちんと入ってくれるのは本当にありがたい。アクションRPGは日本人に馴染みの深いゲームジャンルだからここは譲ってほしい点だったからありがたいの一言だ。Switchとかでもプレイできるとさらに良い。それだけCS機に親和性が高いIPになるだろう。

で実は大概どの日本のゲームメディアもこのゲームのSteamデモ版をプレイ&レビューしてないんだよね…。AUTOMATONあたりがしっかり現時点でいち早くレビューしてくれればちょっと隠れがちなゲーム自体の知名度も上がるだろうと思う。いずれにせよ鉄板の出来であることは間違いなくJRPGとかアクションRPGファンならばマストバイな一作になるだろう。Steamerならば必ずプレイしておきたい傑作になるポテンシャルは間違いなくある。あとは冒頭示したようにこのゲームのストーリーがどうなるか?本当に心の底から感動して感涙の一作になってくれればその懸念は単なる杞憂で終わる。システム面やストーリーの基本軸は素晴らしい。今その感触はバッリバリ感じる。しつこいけどあとは感動のストーリーがあるかどうか…ここだけである。いずれにせよ私は買うことになるだろう。