カプコンは「バーチャコップ」IPを復活させることはできない

「早く「バーチャコップ」シリーズを現代に復活(リメイク等)させるべきだ!」と私は常々期待を寄せていたが今になってその期待にカプコンが答えるのはとっても難しいと思うに至った。昔っから兄弟でガンガンキーマウ環境でこのゲームをPC上でやってただけあって「復活したらスマッシュヒットぐらい当然じゃね?」って軽く思ってたんだがその私自身の見通しが甘かったと言える。なぜだろうか?理由はふたつぐらいは挙げられる。

まずガンコン(ガンコントローラー)というコントロール系を必要とする特殊な問題が根底にある。これはガンコンのアルゴリズムの復活が現代のモニタリングの仕組み上とても難しいということである。これを説明するにはガンコンの仕組みを解かねばならないがここではとても簡潔に言おう。実はガンコンはブラウン管の走査線を読み取ってプレイしている。ガンコンはそれだけ仕組みがブラウン管に近しく液晶と相性が悪い。簡単にいうと元来の問題はこれだけである。次点挙げるのはもっと率直な問題だ。

…というのもやはり付いて回るのがコストの問題なのだ。これだけゲー厶ディスプレイ環境が液晶を当然のように採用している現代において今一度ガンコンのようなシステムを現代向けに設計し直すのには相当のコストがかかる。カプコンのような大企業が動けば当然採算が合わないのは火を見るより明らかなのだ。大企業が動くにはトリパイが小さい割にカネがかかりすぎる。ガンコンの基礎設計・システム全体の再設計も必要とされるだろう。膨大な人件費も必要なはずだ。

今カプコンは復活の時代を迎えている。リメイクや新作で攻勢に出ていてかつての経営不振の時代を克服しつつあるのだ。そういう中で軽~い気持ちで「せっかくだし「バーチャコップ」もリメイクなりなんなりでIPの復活をしちゃえば良いんじゃねえのか?」って思ってた私が悪い見通しを持っていた。それはむしろ機動力とニッチ市場に強みを持つ中小企業やベンチャー企業がするべきことだ。多くのゲームメディアは達成電器のガンコンプロジェクトを報じているがこれと同じことをカプコンに求めるのは酷すぎるのだ。

その意味においてはカプコンが目指すのは達成電器との相乗りであるのかもしれない。デバイスは達成電器という”草分け”に頼んで作ってもらってそいつをライセンスするようなことができれば「バーチャコップ」はガンコンタイトルとして復活できるかもしれない。だが達成電器はバンナムのガンコンIPと組んでしまっている。そのためカプコンのIPである「バーチャコップ」を現代に復活させるのは難度が高いように今となっては思える。そうだ!もうひとつ理由を挙げられるとしたらVR機器の台頭もあったな。これが現実的な見通しなのだろう。

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