以前も伝えたように時価総額の計算は簡単でその会社の株式単価×発行済株式数で簡単に求まる。では時価総額の意味とは何か?時価総額がでかいとその会社の信用性があるということになる。規模の大きさを単純かつ簡潔に計算できるのでそれが貴重な指標となっているわけだ。同じ理由にて将来性の評価にも使われる。また時価総額がでかいと信頼性があるため資金調達もしやすい。これがメインのメリットである。
提携先や取引先と潤滑なディールができるというのも見逃せない。例えばタイアップやキャンペーンなどが打ち出しやすい環境を作ることが出来る。また企業政治においても似たようなことが言える。対外的に良いだけでなく対内的にも良い。時価総額という一定の指標があるために「これこれこういう目標があるので達成してくださいね」と言えるわけである。いわば経営上の政治的体制の引き締めが出来る。
さてVTuber事務所で東証に上場している会社はANYCOLOR株式会社(「にじさんじ」運営元)及びカバー株式会社(「ホロライブ」運営元)の二社だ。どちらも東京証券取引所のベンチャー分野のグロース市場つまり振興株式市場に上場している。これらの会社の時価総額はどれぐらいか?何度も言うように株式単価×発行済株式数で求まる値それが時価総額である。ここで簡単に計算してみよう(データは2025年2月26日のもの)。
ANYCOLOR株式会社
株単価2,938円×発行済株式数60,850,019株=約1,788億円
カバー株式会社
株単価2,511円×発行済株式数65,630,400株=約1,648億円
一言で言えばVTuber事務所として時価総額がでかいということはそれだけこの業界における信頼性を十分保てるということだ。資金調達も容易になるしスポンサーもついてきやすい。タレントや協業先も見つけやすい。また時価総額というプレッシャーがあるために持続的な成長戦略が求められる。上場企業は成長し続けなければならないので事業拡大に役立つこれらのコンポーネントは貴重なのである。もちろんこの原理原則はVTuber事務所業界について言えるだけのことではなく上場している株式会社ならば同じである。