「これは考えてきたな」と思った。Saber Interactiveによる新作「RoadCraft」のことだ。このゲーム開発スタジオというと悪路走行シミュレーター「MudRunner」「SnowRunner」の印象が強い。むしろその後リリースされた「Expeditions: A MudRunner Game」は自然科学を車を駆使して追求するタイプの学術系オフロードという新境地を切り開いたかのように見えたがこちらはあまり評判が良くない（私も買ったがあまりやらずままである）。これには理由があると私は思う。
「MudRunner」「SnowRunner」は何といってもシンプルだった。悪路にハマりながらもそれを克服し”物資を届ける”というシンプルなゲーム性が高く評価されていたのだ。操縦する車が池ポチャ沼ポチャするたびにプレイゲーマ自身がなぜかその車両のようにゲームに沼ってしまい妙な中毒性があった。ｺﾝﾁｸｼｮｰと言いながらもやり続けてしまい物資搬送のミッションひとつひとつをクリアする度に妙な大きめな達成感があった。だからこのゲームはレビューア好評の元IPのDLCまでリリースされ続けている。
Saber Interactiveはもともとこういった（「MudRunner」「SnowRunner」「Expeditions: A MudRunner Game」）一連のシリーズがリリースされる中で賛否両論が巻き起こるタイプのゲームスタジオらしい。例えば破壊系シミュレーター「Teardown」なんぞは評価が高い一方でゾンビものの鏑矢として知られる「World War Z」なんかはあんまり良いレビューを得られていない。FPS「Warhammer 40,000: Space Marine 2」「Insurgency: Sandstorm」の評価は高いもののスポーツものに転じた「NBA 2K Playgrounds 2」や終末系PvP「Evil Dead: The Game」ラリー系ゲーム「Dakar Desert Rally」らの評価は低い。なぜだろうか？
恐らくそのキーワードとなるのが”わかりやすさ”だ。ここで挙げた例のゲームらを提示するが「MudRunner」「SnowRunner」「Teardown」「Warhammer 40,000: Space Marine 2」「Insurgency: Sandstorm」らはどれもがわかりやすいゲームでしかもそのシンプル性の中で中毒さが強いIPだ。他方「Expeditions: A MudRunner Game」「NBA 2K Playgrounds 2」「Evil Dead: The Game」「Dakar Desert Rally」は相当程度…ないし若干わかりにくいゲームである。シンプルな悪路克服のシミュレーターやシンプルなシミュレーター・FPSはSteamerに受けが良いのだ。
そこで冒頭私が「これは考えてきたな」と思った理由を挙げよう。そのきっかけの一作がほかならぬ「RoadCraft」なのだ。簡単に言うとこのゲームは自然災害で破壊された道路インフラを始めとする産業復興というものをテーマにしている。事実「RoadCraft」はそのSteamページにこうある。これならばシンプルさを担保したうえでゲームの拡張性にも工夫を織り込める！（新技術投資や経営拡大や設備投資などの面で）というわけだ。一言で言えば「直せ・治せ・修復しろ！」そんなゲームになるのだろう。
自然災害により壊滅した現場の復元を専門とする企業の責任者として、建設機械を利用して地元の産業を再開させましょう。がれきや欠陥のある設備を撤去して、天災による損害を受けた道路や橋などを修復しましょう！
SteamでRoadCraftを予約購入（Steam）より引用
今作はSteamで現在デモ版がリリースされている。現在サービスインしている「Steam Nextフェス」2月エディションのデモ版配布の一環となっているのだ。そして4亀の報道によればそのデモ版のDLランキングで三位の栄光に輝いている事実も判明している。「Mecha BREA」「Gothic 1 Remake」といった傑作に続いてランクインしているわけだ（なおトップ10には「Among Us 3D」「Fellowship」「Dune: Awakening」「Solarpunk」「HASTE: Broken Worlds」「Game of Thrones: Kingsroad」「Shape of Dreams」が続いておりこれらのA級タイトルを押さえてのランクインとなっている。だからこそ「考えてきたな」以上に「良さげなゲームじゃん！」と思う次第である。新作買おうか。
