私がCremaに「Immortal Redneck」の続編制作を強く推薦するワケは単純に本作がローグライトFPSとして優れているからだけなわけではない。もちろん優れている点としてこのジャンル・ローグライトFPSのゲームの先輩格だったことはゲヲログ1.5の前記事にて指摘させていただいたがこれ以外にも確かな理由がある。それは当該続編がコンセプチュアルな作品として成功が見込めるという理由にある。アマチュアな分析になってしまうがそこを新たに指摘させていただく記事が本投稿の主旨である。
さてローグライトというジャンルは続編が作りやすいジャンルである。なぜだろうか?まず世界観の継承という理由が挙げられる。ローグライトは一端ファーストリリースのゲームで成功すればその世界観を継承することで次回作品へのイメージングがすごく容易になる。わかりやすく事例を挙げよう。例えばファーストリリースのゲームで成功しさえすればその路線を継承してグラフィックスを改善し2Dから3Dにしたりすることでうまく次回作品・続編として潤滑にリリースにこぎつけることができるという点がある。グラフィカルなリソースを一から作り直さなくていいのだ。ローグライトは既存のアセットの集中的改良に焦点を当てることができるジャンルだ。小さめの部屋を基本とするプレイフィールドやリプレイ性の高い系に依存しているので改善しやすいわけだ。
次にシステムの継承という理由が挙げられる。これもほぼ世界観の継承と根本的には同じ理由である。システム系に工夫や改善を施しリリースすれば達成可能なリプレイ性にエンタメの要素を適宜追加し増幅させることが容易なのである。例えばローグライトのシステムの上にある実装部分・実装要素を増やすことでさらなるやり込み度を増やすことは誰でも考える点だろう。システム系に亜種の要素や+αの要素を盛り込むことでリプレイ性をより高めプレイ層の熱中度合いを増やすこともできるだろう。ここまででローグライトの持つ個別の要素要素のマクロ的エフェクトの在り方を理論的に述べてみた。次にわかりすく具体的なタイトルの事例で見てみようと思う。
まずこのジャンルの大先輩の続編「Slay the Spire 2」は特に書いておくべきIPだろう。言わずと知れたデッキ構築ローグライトゲーム。これは続編のリリースにあたって特にシステム系に力点を入れているわけではなさそうだが間違いなくグラフィカルな要素は強くなる。「Streets of Rogue 2」も特筆すべきIPだ。2Dオープンワールドゲームとして間違いなく世界で一番優れたタイトルの続編。これも「Slay the Spire 2」と同じようにグラフィカルな要素が強くなってリターンバックしてくるタイトル。「Neon Abyss 2」。横スクロールのローグライトACTとしてシステム系に増築される要素があるのだと思われる。「UnderMine 2」も逃せない。これは前作がいまいちなリプレイシステム性だったがためそこらを改善してリリースされるものなようだ。「Heroes of Hammerwatch II」も当然この範疇に入る。最後に「Moonlighter 2: The Endless Vault」。ローグライトACT+シミュレーションというジャンルだが総合的にシステムが追加されバランスも担保されたうえで帰ってくる予定。
こうしたローグライトゲームの続編を作るにあたって個別の事例を持ち出すまでもなく「Immortal Redneck 2」に期待できるのは総合的なオーバーホールではないかと私は思う。ボスを始めとして敵の実装要素の種類を増やすことはできるしステージをエジプトピラミッドを舞台設定にしなくてもいいだろう。例えばアラスカの雪ステージとか南米のジャングルとか新たな神話~クトゥルフでいいかもしれないが~を舞台設定にしてもいいだろう。大幅にツリーシステムに改善点をつぎ込んでもいいだろうしそもそものプレイアブルなクラスやジョブの類を増やしても良いはずだ。これらの要素要素は前項で指摘した世界観の継承とシステム系への工夫や改善といった具体的な事項であるから比較的容易でかつ好評裏に受け止められるはず。だからこそ「Immortal Redneck 2」は作られるべきゲームなのだ。