江藤前農水大臣は無能だったのか?~インターネットの政治的民度の低さこそが本質的問題~

江藤前農水大臣は無能だったのか?

私はうさみやすひと秋田県議会議員の言っていることはかねがね正しいと思う。江藤前大臣は米価に関する問題に関しては確かに無能だったのかもしれない。だが彼の言っていることが農水業の掟や国民感覚に反するものだったとしても彼のやってきたことが全部無意味だったとするのはおかしい。明らかに公平性を欠いている。人の言っていることとやってきたことは当然公平に評価しなければその人自体を貶めることだけに論が埋没しかねないとの懸念を私は感じる。その意味においてうさみ議員はあえてXでこのポストをしたのだろう。

江藤が無能ではないファクト

では江藤前大臣による功績・やってきたことで評価できる点とはどこにあるのだろうか?もちろん私がこう言った以上ファクトが必要なのでそれをゲヲログこの場で申し上げる。例えば農水業のアピールのため農水省は「BUZZ MAFF」という官僚系YouTuberという画期的なコンテンツを作っている。農水広報活動の一環である。これは間違いなく江藤前大臣が音頭を取って作られたこれまでの政府系機関に見られない斬新な試みである。Wikipediaによれば次のようなことが明らかになっている(またそのソースとしてプレジデントオンラインの記事が示されている)。

2019年10月頃、農林水産大臣に就任した江藤拓が「こんな堅い広報じゃ誰も見てくれないだろう」「ネットを使った日本の魅力を若い世代に世界中に発信するという工夫をしたいんだけど、君たちどう思うか」と職員に持ちかけ、企画がスタート。積極的な情報発信を希望する職員やグループを省内で募集したところ、24チームが応募し、その中から地方農政局の職員を含む14チーム、計69人が選ばれた。なお、江藤は初代「名誉編集長」を務め、以降の農林水産大臣も「名誉編集長」に就任し動画に登場することもある。

BUZZ MAFF – Wikipediaより引用

農林水産大臣就任直後、農林水産省広報室に「農水省のホームページを若いのが見るか?」「YouTuberとか流行っているだろ。あれをやれ」「面白ければなんでもいい」「そんなことまでやっちゃっていいの? ということに挑戦しろ」と発破をかけ、これが農水省公式YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF」の立ち上げのきっかけとなった。動画内で自身がいじられることも許容したという。

江藤拓 – Wikipediaより引用

素直に評価すべき点

硬質化している日本の省庁制の中でこの試みは純粋に素晴らしいものと思う。各省庁に広報課はあるだろう。だがもっとユニークな視点でそれらを行わなければ若者や未来を担う子どもに興味深く内容を見てもらえないのは容易に想像がつく。よく日本の省庁は規制主体だと言われて久しい。だが麻生太郎も浜田聡との国会答弁で述べたように今に至り日本の省庁はこの規制主体の体制に危機感を抱いていると私は推察する。そうした中で「BUZZ MAFF」のようなイメージナルな広報活動が農水省主体でスタートしたことは評価するに値するのではないかと私は思う。先陣を切ってこのプロジェクトを作りげたのが江藤なのだから江藤のことをこの点では素直に評価すべきだ。

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