FPSカメラ方式で左クリック長押しで登っていくだけのシンプルな登山ゲー。救援を求めて山頂を目指すだけのゲーム。単純なゲームシステムとは裏腹に良く出来たマップが特徴。しかも毎日の単位でマップは差し替えられるので新鮮さが失われない。幅良くバランス良く設計されたアイテム類への理解あるいは小技テクニック類が必要とされるところも面白い。例えば大砲を使って点火し自分はそれに乗ってぶっ飛んだりできる。チェーンガンを使ってルート開拓したりもできる。言ってしまえばこれだけのゲーム。かなりシンプルに出来ていてそれでいてめっちゃくちゃ面白いわけではないが数時間ぶっ通し続けでやってしまう中毒性がある。スルメゲー。
アイテム類はスタミナ回復アイテムとか毒回復アイテムがメイン。スタミナに加えて+αスタミナの概念があって食物でこれを補給できるようになっている。道手を阻む障害物も多数ある。例えば毒針とかサボテンとかがある。アイテム類で対応するダメージを比較的簡単に通常状態に戻ることが出来るようになっている。身体損傷もありこちらの修復は救急箱や包帯の出番だ。当然高所から落下すると死ぬ。協力プレイの場合に限り倒れた仲間をステージの合間にある像のところに持って行ってオブジェのアクティベーションにより復活させることが出来る。シングルの場合はこのオブジェの代わり強力な回復アイテム(など)が手に入る。
協力プレイの場合に限って仲間を頼ることが出来る。だので協力プレイのほうが難易度は下がる。例えば補助手を差し出したりロープを下げたりできる。シングルではロープはあんまり役立たないけど。なぜかっていうとロープを垂らすのは常に高所からで低位置にいるキャラクターに補助導線を作るのがこのアイテムの能力だからである。デフォルトでVCが搭載されている点も協力プレイに適した設計になっていて良い。というのもVC音響は常にステージ環境の元に共有されていて遠いと聴こえづらい・雑音が入ると聴こえづらいという設計になっている。緊迫感が生まれるVC環境がデフォで搭載されているのだ。
いくつかステージがあってその合間合間に(前述した像と)キャンプファイヤーがある。ここにはマシュマロもある。キャンプすることでひと段落出来るけどセーブとかそういう概念はない。あくまで登山ゲーなのでやり直しが効かないのが当然のことである。この点はレビューで酷評している方もいるんだけどこのゲームの良さは一回落ちると救済策がほぼ0なところに他ならない。ここは素直に良点と捉える方が自然な解釈だと思う。その意においてローグライクっぽさがこのゲームにはある。次に他の登山ゲームとの比較ぐらいはしておこう。
”壺おじ”こと「Getting Over It with Bennett Foddy」よりも随分と難易度は低いと思うし今後リリースと共に傑作とされるであろう登山ゲー「Cairn」よりも大分カジュアルに収まっている。あえて言えばこれって登山ゲーの種のものではない。正確に言うとクライミングゲームである。その言葉通り”壺おじ”ではなく「Cairn」の方面にかなり近い。だが簡単操作でシステム全体が単純にまとまっている点でよりカジュアルさが際立っていてその点でもってして気軽にプレイできる。慎重さは必要だが。可愛らしいキャラクターも好印象。カジュアルよりの登山・クライミングのゲーム。他つらつらと書く。
気になった点。まず結構重い。デフォルトで400FPS出るって設定になっていたけどこれってこの環境でやる人が果たしているんだろうか?あとはバグがそこそこみたいな点。まぁここは今後のアプデに期待しておこう。他特記すべき弱点はあんまりない。ほぼほぼ完璧なゲームに仕上がっている。協力プレイではCo-opの醍醐味を味わえるしソロプレイでも自分の力試しという点で魅力的なゲームデザインがされている。ソロでもクリア可能なよう設計されている。若干このソロorマルチというゲームシステムの面で全体的なバランスに対する配慮が欠けているところはあるがここは致し方ない。良く出来ている。日本語対応済。