【ゲームの物語論は混沌の時代へ】「Welcome to Elderfield」から「UN:Me」まで【異常な恐怖をインフラとして受け入れる用意】


Digital Gaming World is entering the “Chaos Era.” We are welcoming “Fear” as our new infrastructure.


Steam表記時間:2026年9月10日にリリースされ、すぐ後、AUTOMATONが「ホラー×スローライフRPG「Welcome to Elderfield」デモ版の勢いそのまま絶好調スタート」と伝えた同ゲーム、今俄かにゲーマの間で話題になっている。このゲームの開発構築の考え方の本質は、雰囲気・個性的、この二点に尽きるだろう。現にSteamストアページにおいても、同ゲームのこと、「異常が普通な世界が舞台のまったりくつろげるホラーRPG」と紹介されている。

よーするに、このご時世、ゲームってのはAAAタイトルの販売だけで乗り越えられるものではなくなってきた。巨大なタイトルによって構築される「大きな物語」だけで、ゲームプレイヤーが満足する世ではなくなってきたのだ。だから、こうしたゲームが局所的に話題になり、セールスまで見込めるようになったわけだ。「異常が普通な世界」…これがゲームの全てを表していると言って良い。「小さき連綿としたストーリ」が続く中、こうしたAタイトルですらない、独特なゲームは話題になる傾向があるわけだね。

ゲームは、インディーゲームクリエイターのChris Coteが開発し、Kwaleeがパブリッシングを手掛ける。よーするに、不気味なバージョンの「Stardew Valley」と言ってもいいかもしれない。農業・クラフト・資源採掘・魚釣り・牧畜などが可能で、なんとシミュレーション系一辺倒か、と思いきや、戦闘パートまであるようなんだ。だからこのゲームはRPGっていうジャンルが冠どられている。異形の住人との結婚までできるという。異常バージョンの「牧場物語」…と表現もできるだろう。

「のんびりしたプレイ体験がおすすめ」、そう公式が同ゲームのSteamストアページを紹介するが、その実、ゲームはラヴクラフトやホラー漫画にインスパイアされていることが明らかになっている。「のんびり」と「異形」は、同時に表現されているんだね。それもそのはず、あまりに異常な手描きデザインが鮮烈な印象をゲーマに残す一作に仕上がっていることぐらいは、ゲヲログのような馬鹿にでもわかる。対応プラットフォームが、PC(Steam)だけだってのもそれに裏合わせされているよね。変人気質。

思うにAAAタイトルは、開発費の高騰・部品調達競争といった問題に直面してて、これらの現象は、業界ではかの有名な「アタリショック」…つまり「北米ビデオゲーム産業の市場崩壊事件」になぞらえる声まであるんだげ。ただ、悪質なゲームが乱造されているかっていうと、現状は当時の状態とは違うだろう。むしろ、ミドルサイズのゲーム・スモールサイズのゲームが話題になっていて、それらが不透明な市場構造に鮮烈なイメージ・強烈なセールスをもたらすこともまま見受けられるようになっている。

SIEなどの幹部がAAAタイトルをはんば諦めているのには、こうしたゲーム業界を巡るAAAタイトル離脱構造の問題が、その背景にあるからかもしれない。ゲヲログが一目置いているゲームに「UN:Me」というものもあるが、こうした狂気の世界や精神世界をかたどったゲームIPが話題になっているのには、やはり時代的必然性があるように思う。ゲームとは哲学にある種瀕していて、特に「物語の構造」を巡るその思想的転換の時代を迎えているよう、ゲヲログ自身は思えてならない。