トライアルの小売DX化イデオロギーに対する批判を考えつく限り全て辛辣に述べてみる


I believe that this company does not have a strong business model. DX has become a common concept across almost all companies, and it does not guarantee significant profits. Therefore, at this point, the company lacks a clear competitive advantage. In addition, it is difficult for retail companies to fundamentally transform their business culture. The most concerning scenario is that agility remains superficial—creating only the appearance of mobility—ultimately resulting in a lack of genuinely fast and effective business operations.


物流システム面で新規性がない

「物流システムを内製にする」という方針だとのことだが他社も今はそうしている(我々もそうしている)。つまりこれで競争優位性が保たれるとは到底思えない。システム系を内製にしても他社との差別化は今更出来ない。システム内製にしていろんなコストを圧縮するというのは今トレンドのやり方で合ってみんなそうしている。在庫スペースを余分に持たない・物流コストを削減する・店舗毎の需要発掘の実践…全てにわたり目新しさは全くない。皆無だ。

積極的な店舗展開は人口減少社会と相性が悪い

また合理化に伴い新規店舗の積極的な展開を見据えているようだがこれも悪手だ。計画的に出店していかないといずれ経済の取りパイが小さくなっていき社会規模に見合ったサイズの店舗計画が実行できない可能性が高い。新規出店はそれだけ慎重になる姿勢が必要なのにそれがない。店舗当たりの稼ぎを永遠に伸ばすことは(新しいビジネスモデルを遂行出来ない限り)不可能だ。新規店舗出店は難度が高くしかも国内市場はこれまでほど右肩上がりに上がってはいかない未来が見据えられる(特に人口減少によって)。計画性はないように思える。

DX化を徹底しても最適利益そのものが上がるとは限らない

店舗運営の合理化に伴ってDXを推し進めるとのことだがこの効果も未知数。なぜならばデジタル化に伴って出費する費用は莫大でその継続性に見合った規模の最適な投資が遂行できない可能性が高いからだ。例えば「AI店舗を作る」というが初期投資が莫大で維持管理費にも相当出費が必要とされる。金持ちでない企業はそもそもこういったことはできないし金持ちの企業であってもこんなフルデジタル店舗を運営し続けるといずれ粗が出て損失がかさむ可能性がある。AIカメラやAIロボットはそれだけ導入及び維持管理に出費がかさむはずだ。

効率の良い店舗運営のために人件費はケチるべきか

その意において人件費をケチらない方がいい商売ができるというのも事実だ。重要なのは最適な箇所最適な規模でデータドリブンによる経営合理化を進めることであって新時代の小売りを作ることそのものが目的ではない。それなのに「AI店舗は斬新である」といった初期インパクト頼みのデータ活用を標榜している点こそが問題なのだ。重要なのは新しい価値を生み出すこと。目指す過程においてレジはオートメーション化されている店舗もある。だが店舗によってはそもそもオートメーション化されてないところのほうが流行っているのも事実だ。果たして人員を削ることのみが正解か?というとそうではない気がする。

小売は新しい価値を生み出すことが難しい業種である

そもそも「小売りでテクノロジーに強みを持つ」という方針が私には理解できない。例えば寿司店で例えると運営するすべての寿司店で寿司職人を多数育成することが経営の合理化だとは到底思えない。これと同じことをやろうとしてもハッキリ言って店舗経営はそのうち破綻するほかない。重要なのはモノ消費をやめコト消費に形態を変えることだ。それが新しい価値を生み出す小売りである。そのために顧客層を絞り込み多種付加価値を店舗に付与することこそ重要なのだ。またそのために他社がやっていない新しいビジネスモデルを実践し新しい種別の利益を作り出すことが重要なのである。

出店=成長というロジックが崩れるとその時から将来性の芽が潰れる

確かに今は成立している。郊外×大型×低価格の環境下で内製ITによって人件費を圧縮…物流・発注・価格調整の最適化及び技術導入を前提にした省人化オペレーションを設計…今の日本では成立しているモデルだろう。特に物価高・可処分所得減少局面では強いと思う。だがそもそも「技術が競争優位にならない」ことを見逃している。単純なことをやっているに過ぎない。内製DX☛他社もやるしAI・データ活用☛コモディティ化するだろう。省人化☛必ずしもいいことばかりでない。低価格モデルは人口減少と相性が悪いというのもある。出店=成長というロジックが崩れた瞬間に一気に企業経営は詰む。

機動力に富んでいると見せかけて欠けている状況が最恐である

その出店思想は一貫して①安く②早く③人を使わず④標準化するということだろうが①顧客を絞り②体験を設計する③新種の付加価値を生んで④人の力を使うことに躊躇しない我々のほうがむしろ新しいビジネスに近い。この会社と我々は交差点がなく経営方針が全く違うのだ。だからこそむしろやっていない領域でビジネスが出来る点に強みがありそここそが弱みでもある。そして一度作り上げた店舗はそう易々と方向転換できない・機動力に欠ける点が肝要な点だ。この会社の場合いずれ資産が足かせになっていくように私には見える。