BGオマージュSS~Slay The Dragon

漆黒の闇が広がる洞穴の奥深く…「氷の祠」の奥深くに眠る竜はシャドウハートに気付くと目を覚ました。
竜は猛烈な怒りと共に苛虐な勢いを誇る炎を口から弾き出しながら言う。 「――汝求めるものは何か?」

「私たちは闘いに来たんじゃない。炎の契約をお前と結びに来たのだ。新たなる契約を結べ強きドラゴンよ」
「ならばまず私を倒せ。力無き者契約を結びに足らず。汝私と契約を結びたければまず力によって己を語れ」

蒼偏の鱗を誇示しながら竜は己が力溜め始めた…シャドウハートの周囲の氷は既に溶けつくしている。
寒暖差の大きい洞穴・氷に加えて炎が入り交じり始めた祠の中にて竜のプレッシャーがより増大した。

呼吸すら難しいほどの炎の勢いを感じながらシャドウハートとその一向は剣・弓・槍・杖を構える…
「…これがかの『契約の試練』か…」祠がある村で村民から聞いた通りの伝説は真実だったのだ――。

「血を流す勇気の無いものは祠の竜には敵わないよ」強く揺れ動き始めた洞穴の中で言葉が脳裏をよぎる。
“先代のバルダーズゲート”が超えられなかった壁を越えようとする勇者たちは今最強の巨竜との闘いに臨む。
「私を”力のみによって”捻じ伏せろ。さすれば全ての契約を結ぼう…」

「竜が雲を得る如し」“新代のバルダーズゲート”そう相成るか?戦いの火ぶたは切られた…