論点をまとめてみよう。まず野生動物をとらえ戦わせその勝敗によって物品やモンスター自体のやり取りが発生している。一義にこの行為自体は現実ではないので現実の法律において処罰されるわけがないが「空想の行為としてかなり野蛮なレベル・部類に入る」というのは事実だろう。こうした行為は「賭博以上に倫理的に問題のある行為であること」は明白である。「ポケモン」の世界では特段法的な規制はないように思えるものの現実では「明らかな動物愛護法違反であり刑罰の対象」なのである。とりあえずまとめてみると…
・野生動物を自分のペットにして戦わせその娯楽性を追求する行為は明らかに野蛮である.
・ポケモンバトルの勝敗によって物品のやり取り(金銭のやり取り含む)が発生している.
・さらにはその勝敗によってポケモン自体のやり取り(生命のやり取り)が発生している.
・こうした行為が既存の規制・禁止賭博より倫理的問題のある行為であるのは明白である.
・(空想の世界を抜け出して)これが想像上の事だから処罰のしようのないことも明らか.
つまり「現実の世界と「ポケモン」の世界がリンクするとして問題となるのは表現の方法として妥当かどうか」という点である。現実として国際的な規制の問題になっていて特定の国では「「ポケモン」がダーヴィンの進化論を連想させる」として規制の対象となっているのも事実である。ここまでさらにまとめてみると…
・ただ現実世界での表現方法として妥当かどうかというと不適切であるということも可能.
・現に特定の国ではこれらのコンテンツが表現の方法論として不適切だと判断されている.
・特定の国によっては「ポケモン」のコンテンツの商品の流通禁止がしっかりされている.
ロンドン(CNNMoney) サウジアラビア政府は24日までに、同国の最高権威に位置付けられる聖職者団体がスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の使用禁止を意味するファトウ(宗教令)を改めて発令したとの地元メディアの報道を否定した。政府は声明で、同ゲームに関するファトウが再度出された事実はないと述べた。この宗教令は15年前に発令された「21758番」で、多神論と進化論を助長しているとしてポケモンのゲーム使用を禁止していた。ゲームにはイスラム教から逸脱した組織と日本の神道を含む他の信仰のシンボルが含まれているなどとも主張していた。
ここではこのサウジアラビアにおける「ポケモン」コンテンツ流通禁止の論を拡張して私が考えているのは明白だ。というのも「多神論と進化論」以前に「倫理的に問題のある行為がコンテンツ内で描かれている」ということがコアなところだからだ。よって「表現の方法として問題のある行為がされていることが我々の世界=「ポケモン」外の世界で描かれていることを看過できない・あるいは十分嫌っている」という意見は実際存在していいものとゲヲログは考える。ある種「異常な価値観が「ポケモン」の世界ではまかり通っている」という意見ですら妥当ではないと言い切れないというのがゲヲログの(勝手な)見解である。