ゲーパスでちょっとだけプレイしてなんとなくわかった「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」のダメな点
私もゲーパスでちょっとだけプレイしたがなんとなく…「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」のダメな点がわかった。Steamプラットフォーム上のレビューでも酷評が意外と目立つ。しかもコアファンがレビューしているがためかどれもが核心を突いている。これはシングルFPSの中でも世界一・随一の傑作とも評される「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」には及んでいないのだ。なぜだろうか?「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」はなぜ一作目を超えられなかったのか?
あえて目を瞑ろう・バグの多さや最適化不足
バグの多さには目を瞑ろう。これは仕方がない。困難な世界情勢下で作ってきた。度重なる延期もあってそれでも作ってきた努力を認めないわけにはいかない。今後パッチでもっともっと修正されていくだろうから。最適化不足の問題にも目を瞑ろう。これもパッチでもっともっと修正されていくだろうから。チュートリアルに不十分な点がある点にも目を瞑ろう。これも仕方がないと言えば仕方がない。もともとこのIPはこういうゲームだからだ。問題は別の点にあるのだ。
目は瞑れない点①AIのバカさ加減
AIのバカさ加減にほとほと飽きれる。AIが高度…というよりかは酷なだけの挙動を示すようになっている点には目を瞑れない。確かにこのシリーズは所謂死にゲーではあるものの初作では特に死にゲーの中で光明を見出す雑な感覚が確かにあった。(全体的に独特すぎるため言葉では表現しにくいけど)生きているかのように挙動するNPCの中に生命の不思議さを見出すゲームだったはずだ。続編にもそれを期待していたのだが雑な戦いの中に何らかの神秘性を戦闘システム内に見出せるオカルト・カルトなFPSでは無くなっている。
目は瞑れない点②単なる死にゲーになっている問題
つまり単なる死にゲーになっていて死にゲー以上のものを「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」には期待できないのだ。初作で搭載されていた「A-Life」の進化版「A-Life 2.0」が今作には搭載されているはずだから続編にもそのコンセプトの進化版の実装を強く期待したんだけどそれが皆無だった。賢いAIだとか進化したAIだとかがあると思っていたんだけどそれがなかった。あるいは言葉だけであったか実装はしたんだけどうまく機能しなかったという問題は否めない。これがAIの機能不全である。AIについてだけでなく敵の硬さとか数的不利有利の問題があまりにオカシイという点も付加できるだろう。
目は瞑れない点③チュートリアルがうんち状態
次にチュートリアルがうんちだったという問題がある。この点にも目は瞑れないだろう。やらされている感が強くてしかもどこに行けば何が起こるか?という一連のフロー・スキームがわかりにくすぎる。システムが不完全さを呈してしまっていて主人公がチュートリアル後にどこにどういう目的で行ったか・行こうとしているかまでもわかりにくすぎる。いわば「はじめてのおつかい☆」状態になってしまい「グッド・ハンティング・ストーカー!」状態にはならないのだ。「グッド・ハンティング・ストーカー!」状態がこのゲームシリーズのいい点だったのにそれが皆無。やらされているおつかいチュートリアル・おつかいクエストになってしまっている。
目は瞑れない点④大局的なFPSではなくなっている問題
これに端を発しているが全体的に大局観がないFPSになっている問題もあるだろう。この点は絶対に目を瞑れない。このゲームはタクティカルなFPSではないしバチバチ撃ちまくるFPSもでないはずだ。このFPSだからこそ・またこのFPSでなければ味わうことのできないゲーム観ってのがあったはずなのだ。それが続編である今作にはない。ゲームとして貫徹する一貫性・バランス性がないのである。キャラクターや会話文の抽象的なプレゼンス・世界観への謎が深まるミュータントの存在観・インベントリ上のアイテムの取捨選択…カルト的な人気を保つためのこれらの要素要素が微妙な点で一作目よりも劣っている。
やっぱり「はじめてのおつかい☆」状態のゲームになってしまっている
果たしてこれでいいのだろうか?と思う。総じて言うと「グッド・ハンティング・ストーカー!」状態のプレイ感覚が皆無。やっぱり「はじめてのおつかい☆」状態のゲームになってしまっている。もう発売から半年経つので土台は固まったはずだ。これからアプデで化けるっていう風には到底私には考えられないし多くのシリファンもそう思っているはず。確かに噛み応えはあるようには作ってあるっちゃ作ってある。だが「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」は総合的に見て「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」を超えられなかったとする評のほうが常識的なFPSerの考え方なように思う次第である。初作のリメイクで良かったんじゃないのかな?