noteにてjump氏が漫画「ハイキュー!!」の魅力について優れた論考を記していたのでそれを元手に(好き勝手に)補講してみた

最も重要な点を一点だけ挙げておこう。これは最もこの漫画/アニメのスゴミを私が感じた点だ。jumpさんが挙げる「正解はひとつではない」である。多種多様なキャリアを各主人公が持っていてその現実味が強く色濃くこの漫画には出ている。例えば社会人になるもの・エンターテイナーになるもの・教師になるもの・ポリスになるものといったように高校バレー界引退後の多様なキャリアパスまで描かれているのだ。中にはバレー協会に就職するものまでいる。多様なキャリアを見込むという点ではショウヨウや影山だってそうだ。

現実が往々にしてそうであるようにプレイヤーの皆が一流/超一流のプレイヤーにはなれない(しなろうとも思わないものもいるように元々描かれている)。これは現実的に理想道王道だけで行くはずの少年漫画で描くのは超絶的に難易度が高かったはずだがそれを作者は見事にやってのけた。現実をみて理想論とのバランスをこの作品は分派するように描くのだ。これこそがハイキューの持つ真骨頂である(というか革命的なスポーツ漫画における新しい描き方である)。キャプ翼以降の漫画はどうもここが描かれていないというかポストモダンみたいな現実的かつ現在進行形的なスポーツマンの描き方が出来てなかったように私は思う。ここがハイキューの凄いところである。

jumpさんが最後に挙げるのが「胸に刺さるもの」。これは名言や名シーンの多さについて”刺さるもの”があるので締めくくりとして書いているようだ。前述の要素の理想面もこの漫画は忘れていない。確かに現実を描きすぎると稲中卓球部になってしまうのかもしれないがこの漫画はネタ系でもガロ系でもない。絵は小奇麗だし少年漫画の理想面も捨ててないのだ。現実を見ろ!と言っている一方で(またそれがコアな論理になっている一方で)バランスよく理想面も多く養分として含んでいる(つまり「正解はひとつではない」と反する要素がある)。バランスよく描かれている一方で起伏も強いのだ。起伏が強いからバランスに寄与しているといった方が良いか?もっと簡単に言うと少年漫画として絶妙な緩急があるので見ていて面白味が強く感じられる。現実性を見ている一方で理想面も見逃さない作者の少年漫画制作に対する姿勢をビリビリ感じる次第である。まぁここはまとめているだけなんで蛇足っちゃ蛇足ではある。

これほど優れた漫画の論考がネット上でただで読めることに私は驚いた。たしかにかつてのnoteはSNSとしてクソだったしカスだった。だが最近になってnoteは見事に化けた。優秀な論考がなぜかこのSNSに集まり総じて健全な議論の的となっている。フェイクニュースやレコメンド機能を弄っているXプラットフォームの比ではないほどの健全さだ。文字の秘めたる可能性を追求しているだけの単純なサイトなのに素晴らしい文章で今はあふれている。まぁこれはまた別の機会に別種の議題になるものだろう。完全版とか文庫版が出たら原作網羅して買うわ。

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