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3/31のアストロノーツ帳「謹製品種改良マシンの譲渡について」
この価値を世間のアストロノーツたちはほとんど認めぬ。しかし、ワシが謹製し、格安で作り上げた品種改良マシンは、間違いなく革命的だと自負しておる。実際、このマシンで「セイカタワー」の品種交配に成功しておる。非常に高額な宇宙野菜で、伝統あるアワードの品目に名を連ねる品種でもある。ワシ自身が最終的な「最強の野菜」を手にすることはなくとも、このマシンはその品種設計すら可能にする潜在力を秘めておるのだ。
なぜなら、このマシンはスロット拡張性に優れ、改良の余地をまだまだ残しておる。宇宙農家界隈のメンテナンサーに頼めば、メンデルの法則に則った品種改良を簡易数値表示器を通じて自在に行うことができる。この機能を格安で実現したことを、世のマシンディーラーたちは認めぬ。なぜなら、彼らはスロットシステムに関して素人すぎるのだ。高額で手間のかかるマシンにしか興味を示さぬ者ばかり。廉価で高機能な発想は、彼らには理解できぬ。これがミソである。
ワシの発想は常に逆だった。安価で、かつ拡張性に富んだマシン――この真価を理解する者は、残念ながら少ないだろう。恐らく銀河中を探しても、数えるほどしかおらぬ。しかし、ワシは長年腐心して作り上げたこの一台に、全生命力を賭けた。それこそが、認める者の少ないワシの人生の成果であり、最後の希望である。あとは……
このマシンを、いつか「アストロシティ」での激闘を制する新時代のアストロノーカに託すのだ。恐らくその者こそ、最後のアストロノーツアワードを勝ち取るであろう。間違いない。伝説の農機具メーカーは誰の会社でもない。ワシ自身なのだ。最後にこのマシンを託すべきアストロノーカを見つける――それがワシの最後の使命である。
おそらく、どこかの寒村にその者はいるだろう。物好きで、地味で、少し風変わりな存在。その者でなければ、このマシンの真価には気づかぬだろう。今、ワシは農家も農機具技師も引退する。宇宙農家としての次世代のため、静かに隠遁するのだ。あとは、かつて品種交配で生み出した宇宙野菜を絵に描き、のんべんだらりと日々を過ごすつもりである。
Forever our dream with my last hope… 本当の夢は君に託す。頑張れ、若人よ。
