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ナイトシティ…ここは喧噪と白痴の都市。
誰にも頼れずただ自分の力だけが試される街。
だがその力のためにインプラントを入れるということはそれだけで危険だ。
サイバーサイコシス化をいずれ引き起こすということだから。
だから正気を保つために抑制剤がある。
だが勘違いしちゃならねえ。
あれは治療なんかじゃない…ただの延命だ。
一本打てば頭の中のノイズは消える。
軋む思考も焼き切れそうな神経も一瞬だけ静まる。
――だが、それだけだ。
路地裏で笑いながらARを撃ちまくるやつ。
自分の腕を“異物”だと言って引きちぎるやつ。
そして最後にそいつらは企業の犬に処理される。
アラサガのエージェントは薬のありかも知っている。
一回じゃ足りない。
だから二回・三回――その回数は増えていく。
気づけば俺らのバックパックの中の抑制剤は底をつく。
指先が震える。
視界が歪む。
幻覚が、現実に滲み出してくる。
――だからまた打つんだ。
そうしてランナーたちは少しずつ正気を削り落としていく。
サイコシスへ繋がる導火線にはもう火がついてる。
ナイトシティのあらゆる人間の中でな。
そうだ・これは広告とネオンの時代の物語。
EDMに彩られた喧騒が遠ざかっていく時代の物語。
企業が世界を食い尽くす時代の物語。そして――
