「負けヒロインが多すぎる!」(通称:マケイン)はなぜ傑作なのか?…考え付かなかったのでChatGPTの回答に沿って六つの理由を挙げてみた

第四に「キャラの立ちが良い」とChatGPTは言う。マケインの各マケインには芯がある。確かに「あるようでないバランス」に下支えされているもののどのマケインもかねがね個性的で自分が応援したい(推したい)文化がこのラノベの根底にはあるのだ。つまり「”選択性の科学”ともいうべき最適化」が懸かっているのである。この構造には見覚えがあるだろう。そうだ!かの秀作漫画「彼女お借りします」に見える概念でもあるのだ。よーするに所謂”推し”の文化圏に近いものがあるが共感性の価値観を語るうえではかの漫画よりもずっと完成度が高い。ヒロインがマケインである必然性がこのラノベにはあるのだ。自然性もある。だから作った感とか設定感があまりない。

第五に「メタ構造的な面白さ」をChatGPTは挙げた。これは構造主義ともいうべき哲文学概念への理解があればさらに面白いところだが簡単に言うと物語自体が「ある種の”言語ゲーム”」であり読者はそこを楽しめるようになっていることを指す。マケインは読者にラノベの風味の中で常識的構造を壊したり創造したりする再構築の方法を提供している。だからこそどこから読んでも面白くまたどこから読み直しても新しい発見があるのだ。いわば思想家である東も言うような「訂正可能性の哲学」に近い文章が現実に構成されているというわけだ。例えば訂正可能性は物語の真実・事実の点もそうだし登場するキャラクターの性格的にも(物語内で)そうなっている。構造的に面白いという大まかなイメージを抱きやすい構成を実現しているということをChatGPTは示してるのだろう。

最後第六に「“救われなさ”が余韻を残す」点もChatGPTは挙げた。どの物語どの巻でも最終的にはガチンコで報われないマケインたちに余韻が残る話になっている。物語がそういった「マケイン的な余韻」を残して最後の最後に収束しているっていうのかな。だからこそ読後感が良い。読書してその時間がタイパ的に後悔せず十二分に満足できる。この点は特にそんじょそこらの立派な小説様(笑)には出来ない芸当を見事に本作はやってのけているのである。これは第8巻馬剃の話に至ってさらに現実味を増して読者に提示されている。これまさに余韻とはこのことである。そうした余韻は絶対的な絶望でもないし半壊的な絶望でもない。かたや完全な希望でもないのだ。若干の希望が残る余韻になっているのだ。だからこそラノベはこうあるべきである!という回答を用意してしまった傑作だと言える(特に第8巻はそうだ!)。

さてでは当の8巻を読んだ読後感どんなものか?端折って言うと私が抱いた感想はガチで以下が全てである。