元メジャーリーガー:澤村拓一による”配給解説脳”という野球解説業界での猛威


Former MLB pitcher: Hirokazu Sawamura’s analytical mind for baseball is astonishing.
He’s a truly analytical baseball commentator.


野球解説者としての澤村の有能さ

元メジャーリーガー:澤村拓一の解説脳がSPOTVNOWで止まらない。ピッチャーの来歴を活かした野球解説は、この業界では非常に珍しい。つまり、澤村はこの分野のパイオニアなのだ。澤村の予想が当たる…というのは、マジまさにその通りなんだが…それ以前に配球を重視した解説は、マジで野球解説の上手いとこ行ってると思う。澤村、というと「元巨人で阿部に殴られた」という印象が未だにあるし、MLBでは荒球を駆使した三振野球ピッチャーという、割り切られた印象しかない野球ファンがほとんどだろう。だが、実は彼は理論家である。野球の配給は三すくみの関係と同じだからそこの解説に敏腕さをふるっている、と言う感じだ。これならば今後も解説オファーは途絶えないだろう。ゲヲログもブリュワーズの野球を評価してきたが、澤村も当のイチローと同じことを言っている。

野球とはデータに振り回されるスポーツではない・それを支配するスポーツである

よーするに、データデータと言っているだけでは、真のデータ野球にはならないのだ。データを駆使して、データを上手く支配することが重要なのであって、そこでは、主体となる野球選手が経験的価値を大事にして、データを駆動させることが重要なのだ。なんでも統計通りにいったら、ブラックスワンなんていらない。また、なんでも統計通りにいったら、野球は最適化された調和に収束しちゃう。そこには解釈があり、人が介在するのだから、統計データの通りに野球をやっていたら、負けが込むことになるのだ。つまり、前回スイープしたドジャースが、今回ブリュワーズにスイープさせられたのは、本当に確固たる必然的理由あってのことなのだ。さて、ここで今一度、(データに振り回されないように)澤村の解説の特徴をまとめてみよう。

澤村の解説にしばし見受けられる特徴

・打者が何を待っているのか? 直前の打席や、それまでの配球から、打者の狙いを推測する。
・投手がなぜその球を選ぶのか? 球種だけでなく、カウント、コース、球速差、直前に投げた球との関係から考える。
・捕手が何を仕掛けているのか? あえて同じ球種を続けるのか、目線を変えるのか、裏をかくのか。
・次の一球にどんな意味があるのか? 単にストライクを取るためなのか、それとも次の決め球を生かすためなのか。

ドジャース苦難の時代へ

確かに、澤村が配球から野球に切り込んでいるのは斬新だ。他方それは、本来は当然の事でもあると私は思う。野球はあくまでバッテリーから始まる球技・スポーツだからだ。そこから垣間見えるのが、野球とは確率のゲームではない…という真実である。あくまで相互作用のゲームなのである。つまり、経験的に、常々相手が何を考え、自分の選択にどう反応するか、というアクティブな関係も考慮する必要があるスポーツなのである。そこをブリュワーズは逃さなかった。ドジャースはみすみす逃してしまったのだ。だから私は予測する。常勝軍団などあり得ない、と。ドジャースが野球の本質をデータだけだと確信している以上、今後少なくともWS三連覇はできない。否、二連覇や隔年の制覇すらすらできないだろう。そして、監督が変わらない以上、選手性能で勝ち切る野球しかできない。もちろん、監督が代わっても苦しいところが今後際立つのではないか?と私は悲観的に考えている。