SO2SSRオマージュSS~物語の続きは惑星エクスペル・リンガの一角にて。


「さてと、これで完成するはず!人呼んで”マシナリー・ウェポン”!」


またたびプリシスの新たな発明は、”例の闘い”で得た十賢者の遺物から得た詠唱理論のスキルと、自らのメカニックのスキルをマージした自信作だ。彼女の言う”マシナリー・ウェポン”とは、彼女自身が使役する自動化装置:無人くんのロケットパンチの駆動系に、魔法アビリティを駆使し付与したものである。時代が変わればトレンドとなるアビリティも変わっていく…。機械技術に詠唱魔法技能を融合させるのは昨今主要なトレンドになり、連盟加入組織の社会技術的利益を飛躍的に増大させた。

プリシスは十賢者大戦終結後、地球人:クロードの勧めでエクスペルの若き俊才科学者:レオンと共に地球へ留学、大学で博士号を取得した。その学位論文は、詠唱と機械技術によって構成された結晶石によって、環境を本来あるべき形に戻すテクノロジーの影響を描いたものだった。この研究と基盤となった開発技術は地球及びエクスペル世界全体から高く評価され、エクスペルが地球連盟に加盟するきっかけにもなった。もはや英雄である(もっとも彼女はそんなこと意識したこともないのだが…)。

その系として、プリシスは”マシナリー・ウェポン”を、今、開発している。あとは、レンチで駆動系の締め具のナットとボルトを本体に結束させればこの発明品は完成…と言うところまで来た。もちろん、プリシスの天才的な機電開発能力をもってしても発明が上手く行くことはそうそうない。この”製品”だって、まだまだプロトタイプなのだ。そう、区切りはあっても、発明業務に終わりはない。生活の質を良くするため、技術によって改善し続ける仕事に終焉はないのだ。


「親父―!3番レンチどこ置いたか、わかんない?」
「知らん!自分のものは自分で責任もって片付けろよ、プリシス」


元来、物心ついたころからプリシスに母親はいなかった。だが、自分の父グラフトを憎んだことなんぞ一度としてない。育ての親、として、それ以前に、自らの発明心の良き理解者として、プリシスはグラフトに感謝して生きてきた。若いころ家から出て行ってしまったという母親のことは、さほど意識したことはないし、そのことが悪い影響をプリシスの人生に及ぼしたこともないのだ。プリシスとグラフト、親子二人三脚で歩んできた人生の証のほうが、彼女にとって重要だった。


物語の続きは惑星エクスペル・リンガの一角にて。
星を滅ぼしかけた幻の脅威:十賢者から世界を救った後も。
若干16歳の少女の発明話はこれからも続くんだ。


SSは物語をより盛り上げるための引用の一環として行っております.権利的に問題がありましたら連絡いただければ削除します.