TWオマージュSS~漆骨将軍カザルド―荒野の指揮官・荒くれもの

焦土化した国境の荒野・砂と灰の混ざる空の元で。
かつて此処はエルフと人間が通う交易路だった…
伝説の「荒野の指揮官」は唸り声を挙げ携えられた剣が空を切る。

この荒くれものが登場するまで紛れもなく兵たちは疲弊していた。
空は曇り太陽は当の昔に血のように沈みかけている。
歴戦と既に死を経験したアンデットの軍勢たちでさえ闘い方を忘れかけていた。

その最中でも”彼”の眼だけは濁らなかった。
この荒野の果てで誰も知らぬ勝利を掴むために”彼”はやってきた。
”彼”に取っては全ては勝利のためにある。

「戦う目的なぞ既に忘れた。だが退く理由もない。」
「恐れるな―志を同じくする者たちよ。砂丘を超えた先に生がある。」
この”漆骨将軍”は死線の先を見据え唸る…軍勢は彼の声により戦意をその手元に取り戻した。

Mannfred von Carsteinの魂を受け継ぐのは今やKhazardの身のみにおいてのみか。
Sylvaniaの戦記はそう確かに記している…
この記録は今に至るまでまさに”アンデッドの誇り”について述べているのだ。