同じ意見をChatGPTに投げてみたけどいまいち腑に落ちない。ゲームだって音楽CDだって同じデジタルコンテンツなのにゲームのディスクレスは進んで音楽CDのディスクレスはそれほどは進んでいない。そこで”有能な人工知能”にこの質問を投げてみて得られた意見に対してJKなところを擁護と反論をしてみる(今ここで)。
まずファーストチョイスに容量の問題が出てきた。実はこれはまま理解できる。ゲームは容量がでかいのでCDやDVDといった媒体で記録することは適さない。例えば無理に入れて媒体分割することはあまり利便性がない(若いゲーマー諸君は知らないかもしれないが容量がでかいゲームは複数のディスクにまたがって逐次インストールするという手法が取られていた時代がある)。読み込み速度の問題もある。特にSSDの台頭が進んでいる現代ではディスクレスのほうがゲームコンテンツとの親和性が高いのだ。ここは納得の行く項目である。
次にインターネットの普及・デジタル販売の主流化とあるがこれはChatGPTの言っていることが徹底的によくわからない。最初に述べたようにゲームだって音楽CDだって同じデジタルコンテンツである。音楽CDはデジタル配信に依存するがゲームはさらにそうである…と説明をされたがよくわからん。同じデジタルコンテンツならば音楽CDだって徹底的にディスクレスになるはずだ。音楽の音源品質の問題だというかたもいるだろうがoggなどの圧縮技術の進歩もあるし何よりも未圧縮のwavファイルで初っ端から売ってしまえばいいだけのことだ。説明が不明瞭である。
第三にパッチやアップデート環境の構築とある。これはわかるところである。ゲームはパッチ配信がデジタルディスクレス環境だと簡単にできる。Steamを使っていればわかるがわざわざメーカーのサポートページに行って最新のパッチを落とし込んで適用する手間が大幅に省けるのだ。これは利便性の点でよくわかるところなのでChatGPTのこの項に対する発言は正しく妥当性がある。ゲームの印付けという意において海賊版の対策にもなるだろう(ちなみにデジタルゲームコンテンツの中古売買についてはゲヲログ2.0でも述べたことがある)。
最後に利便性の違いとあるがこの点は譲れない。しつこいようだがゲームだって音楽CDだって同じデジタルコンテンツである。利便性を担保できるならば音楽CDだって徹底してディスクレス化が進むはずだ。だが音楽の分野ではディスクレスはゲームほどは進んでいない。利便性を保つためならば同じデジタルコンテンツであるゲーム・音楽CDの垣根を超えて同じようにそのコンテンツがディスクレスになるか・あるいは物理媒体に徹するかの同様の結論が得られるはずなのだ。またそれに基づいて商品を作り込む必要性があるはずである。だが現実はそうはなっていない。
ここまで見てきて2勝2敗だと思うがこのように五分五分の結果でも今回ChatGPTが出した結論はよくわからん。何度もオウム返しの如く繰り返すがゲームだって音楽CDだって同じデジタルコンテンツである以上はどっちとも取り扱いが同じはずなのだ。デジタル財産というコンテンツの性質は一貫して統一感があってしかるべきなのに現実そうはなっていない。ゲームのデジタル化・ディスクレス化が進むのであれば音楽CDだってそうなるべきだしあるいはゲームのデジタル化・ディスクレス化が進まないのであれば音楽CDだってそうなって自然と矛盾は解決されているはずなのだ。だが双方はいまいち統一感に欠けている。
ひとつ考えられるのは音楽CDだけはブランド力があるという理由付けなのかもしれない。所有欲を満たすためにブランドという物理メディアを持っておきたいという意思は私にでさえある。つまりインナーライナーを見たり歌詞の記載されているカードやディスクそのもののデザイン性に魅力を感じるという意において音楽CDがディスクレス化されない強いファクターになっている可能性は否定できまい。事実CDの原制作者はアーティストと呼ばれることが多い。これは表現者という意味だろうが”音楽を作る人”として日本では単語で立派に捉えられている。微妙な違いだが同時に大きな違いである。この点をChatGPTは指摘していない。