フリゲIPのSteam的復活は当然のように「歩くべき道」である

「タオルケットをもう一度」シリーズに見る

そのジャンルを一縷も飾り立てることなく「単なるゲーム」と謳うあるリメイク作が俄かに注目を浴びている。だもしF91さんによる「たおるけっとをもういちど2」のことである。同作は今でも神作と崇めたてられるツクール製の伝説的なゲームタイトル「タオルケットをもう一度2」のリメイク作品。原作はRPGツクール2000製のフリーゲームであり三つある一連のシリーズ作品のうちの一番有名な第二作目。原作は今でもタダでネット上にて手に入る。

シリーズ二作目が一番有名

主人公である自分とその幼なじみ:ぱりぱりうめが主要な登場人物。宇宙人の侵略によって運命を翻弄されるというストーリー。ほのぼのとした序盤の作風からは考えられないほど過激でR-15相当の内容を持つのが特徴。このゲームはキャラクターをはじめとするデザインこそ綺麗にまとまった古典的なドット絵で描かれているもののグロ鬱表現にかなり富んでいる。当時プレイし衝撃を受けたフリゲファンは多いからこそリメイク作に対し往年のファンが狂喜乱舞する様子は想定できる。フリゲフリークでそのタイトルを知らないものがいるとすれば間違いなくモグリ。それぐらいの傑作。

多くのIPは復活させて活用すべきだ

ここからは私信になるがゲームIPの発掘という点から述べてみたい。この手のIPについては日本が先進的なはずなんである。つまりフリゲ文化の中で培われた独特なゲーム群は一部を除いて評価されていないと私は思うのだ。例えばゲヲログでもかって取り上げた「魔壊屋姉妹。」「フィアードライブ」などがある。これらの傑作たちが世界のSteamerに見て取れず失墜していく様子を我々日本人ゲーマは見てきたのではないだろうか。結論から言うが傑作たる隠れIPが日本には多いのだから当然大手のゲーム会社がこれらのIPを買い取ってもおかしくはのにそうはなっていない。

見逃せないのは日本のフリゲ文化

思うにSteamで流通しているインディーゲームもその流れ・フローとしては間違いなく日本のフリゲ文化と似通っている点が多い。熱意・自分の作りたいものを作るという熱意に押されて売上のことなんざどうでもいいっていうギークゲームメーカーが古来から日本にはとても多いはずだ。こういったIPをほったらかしにしておくと産業が育たない。テスラのイーロン・マスクだってその走りはゲーム制作だって聞いてるしIPの持つ無尽蔵な原力を無駄にしないほうが良いとゲヲログはカプコンに重々指摘してきた。このゲームリメイクの動向も実はまったく同じ構図なのだ。本来個人製作の利点を活かしながらも大手がプッシュするべき一作になるのは間違いないだろう。

日本のゲームはカスか?

「今や日本のゲームはカスだな」とインディーデヴェロッパ率いるアーティストが公言したように日本のゲームメーカは長期停滞に悩まされてきた。ただしその間指をくわえて和製ゲームメーカが待っていただけなわけではない。有名どころだとカプコンは今になって経営危機を払しょくし復活したし日本一ソフトウェアなど新しい取り組みを始めた企業もいっぱいある。だからこそこの良い流れを失ってはいけないのである。そのためにはフリゲ文化を中心とするIPの復刻がないとダメだ。もちろんリメイク止まりではダメだがリメイクなくして日本のゲーム産業の本格復興がないのも事実。公平に見てそう考えるのがバランスに配慮した考え方なはずだ。

段階的完全復活の狼煙は心なく上がってはいる

要するにゲームのリメイクに徹することなく同時にリメイクにも配慮しながら新作も作る姿勢が求められている。これは四字熟語で言えば古きに学び新しきを得る…すなわち温故知新ということだ。現にカプコンはリメイク版「バイオハザード」シリーズを通して復活している。総じてみるに日本のゲーム産業の完全なリライブの行方は「古いタイトルの発掘」「解釈とアイデアの共有」「新規IPの制作」この三つの段階的発展論に基づいていくことだろう。良いIPはガンガン発掘して資金を提供する企業が現れてもおかしくないのにそういった大手に準ずるインディー支援デヴェロッパはかなり少ないように思う。ホント辛いことだね。