結論から言うと厳密にはそうではないが関連性はある…ということとなる。というのも回帰分析が機械学習の一部門であることは間違いない。そして機械学習を層的に重ねたものがディープラーニングである。だから回帰分析は機械学習の一部であり機械学習は人工知能を構成する極めて重要な要素だということになる。イコールでは結べないがその範疇にあるというのが妥当なところなのである。
注意しておきたいのは回帰分析も機械学習も人工知能の基礎となっているということだ。それらが統計学やデータ駆動における手法のうちの一つであるのだ。ここが本質的なところであって回帰分析をイコールで機械学習や人工知能と結びつける必要はない。バックグラウンドに回帰分析や回帰分析的な発想がありそれを活用することで機械学習やそれを層的に重ねたものとして人工知能が実現されるのだ。
混同されがちなのはなぜか?というと根本的な理由は同じである。回帰分析のアルゴリズムは機械学習や人工知能の基礎土台となっていてそれが似通っていて単純に比較はできずむしろどの概念がどの概念を含有するかという疑問をより複雑にしているからだ。そしてこの一見馬鹿に見える基礎的な疑問に基づく説明がしばしば必要とされるのにも確固たる理由がある。
それが統計学の教科書ではこうした客観性の求められる統計概念が主観的に論じられることが多いという理由である。例えば数量化第Ⅲ類の手法なんぞはあっちらこっちらに分類されていてぶっちゃけ教科書・教本によって定義が違うといっても過言ではない。今日統計学の本を紐解くと間違いや間違いらしきものは往々にしてよく見て取れる。これには深い理由もあると思う。
その説明をする中で必ず留意しておきたい事項だけは最低限ここで述べておこう。それが統計学は主観と客観のせめぎあいの中で作られてきた学問であるという認識だ。つまり統計学は経済学同様主観を排除できない客観であり本来は人間の血が通った経験科学なのである。ただし統計学の場合経済学ほどそのカバーレンジは広くなくアルゴリズムの提起という点で経済学者が経済学会のため論文を執筆する意図とはまったく状況が違っている。