振り返ると「ENDLESS Space」は良さげな4XSFシミュレーションだった。何と言ってもSF風のカコイイ艦隊戦が楽しめてグラフィカルな側面においても素晴らしいデザインの統一感があった一作。ゲームのバランスもそれなり優れてたように思う。「Dungeon of the ENDLESS」だって大概それはそうでローグライクタワーディフェンスとしてはシステムに凝っていてこの分野では珍しく高ユーザー評価が生まれている。後者にあたってはさすがにゲームIP自体が古すぎるので(10年以上前)2Dで描かれている点は今や気になる。だが足かけこの10年以上の歳月の間エンドレスユニバースという設定項を共有していると喧伝することはとても勇気のいるところであるはずだ。その点では(前に書いたように)Amplitude Studiosは斬新で評価できるゲーム設計を実践しているといえる。間違いない。
さて本題に入るが私はそれでも「ENDLESS Legend 2」には期待を寄せていない。というのもこのゲームのグラフィックスはファンタジーとSFがごちゃ混ぜになっているのだ。これが私が「ENDLESS Legend 2」に期待を寄せない理由のうちの一丁目一番地の懸念事項だ。「そこはまず4Xとしての精密なゲームシステム上の不備を指摘するべきだろう!」と思われたハードな4Xファンも多くいるだろう。だが私が気になるのは「ENDLESS Space」「Dungeon of the ENDLESS」で打ち立てたハードコアSFの路線が「ENDLESS Legend」に至ってかなり崩壊気味であるということについてだけである。
無理にファンタジーとSFの色彩をマージする方針を私は高く評価していない。SF路線で作られてきたゲームシリーズにいきなり魔法とかクリーチャーとかを登場させる意義ってどこにあるんだろうと思ってしまう。要するにゲームのデザインがユニークすぎるのだ。Steamerが評するようにシステムとして「劣化版「Civilization」である」ということも批判要因だろう。だが私はせっかく作ってきたエンドレスユニバースの世界観を大きく逸脱するものと「ENDLESS Legend」シリーズをとらえている。無理なファンタジー色を詰め込みすぎたぶっ飛んだゲーム「ENDLESS Legend 2」に期待するところが私は全くない。恐らく買いすらしないだろう。ゲヲログでもこのゲームグラフィックスの問題を厳しく指摘したのは記憶に新しい。
だからこそAmplitude Studiosには原点に立ち戻ってほしいと思う。優れたエンドレスユニバースという背景を基礎土台にしたタイトルがあるのだからそこを伸ばすべきであって別ジャンルに果敢に参入するにあたり別色なキャラクター/クリーチャー/ワールド設計を取り入れることではない。他ジャンルに旺盛にチャレンジする姿勢はゲーム系ベンチャーとしては相当高く評価できる。だが売れなさそうなゲームを作ることがそういった草分けのすべきことではないのも事実だ。はっきり言って私はこの点でAmplitude Studiosを評価していない。正確に言うとAmplitude Studiosによるエンドレスユニバースゲームの中でも「ENDLESS Legend 2」には期待を寄せていない。パブリッシャにHooded Horseが就いたのも意外なぐらいだった(ゲヲログでもこのパブリッシャは高く評価している)。もうちょっと手堅く行ってほしいと思うところ。