大きく分けて三つのフレーズに分別できると私は考えた。まずゲーム「Killing Floor」シリーズはCo-opに特化しているという点。協力プレイがメインのゲームであるのでレシオや競技性にこだわることなく気軽に遊べる。普通のオンラインFPSだとPvPもしくはあってPvPvEという対戦型の競技システムを採用しがちなのだが本IP「Killing Floor」はそうではなくCo-opモード以外は搭載していない。つまり「Counter Strike」シリーズや「VALORANT」と違ってチーム構成戦術やプレイレベルなどのスキル面で高いものが要求されるゲームではない。競技性のFPSとは一線を画しており「他人に迷惑をかけること」が基本的にないのだ。
この要素はすごくデカくてしばしばValveゲームにて見受けられるようなnoobie kick（新人に対するkick処理）がほぼない。確かにその分e-Sportsに分類されるようなゲームではなくプロシーンに登場するメインストリームのゲームではないことは確か。だがその欠点はゲームシステムの設計都合上かなり上手く取り扱われており緊張感でもってして戦うというFPSの原点からはいい意味でかけ離れている。まず一丁目一番地の重要事項がこの要素だろう。だがこれだけがゲーム「Killing Floor」の全てを表現するわけではない。次にゴア表現について語っておこうか。
このゲームはハッキリ言って残酷なクリーチャーの体部欠損型のゲームである。バチバチ撃っていると相手の手や頭が吹き飛ぶしそこを忌避するSteam初心者のヌルゲーマは多いことだろう。私もSteamに参入したてでこの一作目「Killing Floor」を購入しプレイした時などはあまりの残酷性に驚いたクチだ。だがその厳しいゴア表現がCo-opの要素と相まってゲームプレイの性質に相乗効果を生んでいる。残酷であるがゆえ「Killing Floor」のゲームプレイの爽快性にもたらしている良点はあまりにインパクトが強くその要素は今や当初はこのゲームに忌避感を覚えた私自身でも認めざるを得ない。
またその爽快感を裏付けるように本ゲームシリーズはドンパチ撃ちあうゲームに特化している。レベルの要素はあるもののやり込みというよりかは気軽にクリーチャー相手にドンパチドンパチやってとにかく敵を倒しまくる戦闘システムを採用しているのだ。つまりCo-op版「Doom」というのがあっていると思う。最近Steamではこの手のゲームのことをブーマーシューターというらしいがこのゲーム種に近め。ハックアンドスラッシュFPSとまではいかないもののかなり近いのだ。シンプルにレベルを上げていき装備類を揃えてドンパチにまた挑む…そんなフローがメインなのでメンドクサイ回りくどいFPSのシステム系とは無縁である。単純作業以上のトントな爽快さをシンプルに裏付けた点がゲームシリーズ「Killing Floor」が切り開いたFPSの新境地なのかもしれない。
まとめると新人に優しいCo-opに特化・爽快感に溢れるゴア表現・ロールプレイに近めのブーマーシューターこの三点が特徴である。この三点こそが「Killing Floor」というゲームシリーズの醍醐味だと私はとらえている。そして最新作「Killing Floor 3」ではこれまでのゾンビ系のビジュアルを刷新しSFの要素を強く取り込んでいるという。化学企業ホージンが造り出した異形のクリーチャー・ゼッドとドドンドンパチと銃器で闘うナイトフォール所属のソルジャーとなれるゲームシリーズ最新作「Killing Floor 3」の発売は来月の3月25日に迫っている。
