ゲームの開発会社はIPを安易に取り込みその開発に関わってはいけない ~「Risk of Rain 2」の大型DLC「Seekers of the Storm」の事例に学ぶ~

「Risk of Rain 2」の大型DLC「Seekers of the Storm」から学べる事

私も今日Steamストアページを開いて驚いた。傑作でありSteamでのユーザレビューも非常に好評~圧倒的に好評の地位を譲っていない「Risk of Rain 2」の大型DLC「Seekers of the Storm」の評価が著しくないのだ。ぶっちゃけ悪評が目立っている現状がある。さてなぜだろうか?コトの顛末はdoope!に詳しい記事があったのでそれと同URLのSteamストアページを参考にしてまとめてみよう。実はこの深刻な問題を解決するのは至極簡単である。そこまで解説する。

傑作「Risk of Rain 2」の最新DLCとして昨年11月にアナウンスされ、従来のHopoo Gamesではなく、Gearbox Softwareが開発を手がける最初のDLCとして今月8月末にローンチを果たしたものの、新コンテンツだけでなく本編にも技術的な悪影響をもたらす事態となっていた「Seekers of the Storm」ですが、新体制移行後の運用と今後の動向に注目が集まるなか、新たにGearboxが「Seekers of the Storm」を抜本的に改善する最新の2.0ロードマップを公開。今後数ヶ月を掛けて、本DLCを抜本的に改善する大規模なアップデートを計画していることが明らかになりました。

「Risk of Rain 2: Seekers of the Storm」を数ヶ月掛けて改善する最新のロードマップが公開 « doope! 国内外のゲーム情報サイトより引用

Gearboxの素性を疑わざるを得ない現状

ぶっちゃけて言っちまうとこれ大問題じゃねえか?ってのが私の意見である。そもそもDLC自体のアプデを前提としている時点でGearboxの素性を疑ってしまうのだ。DLCというのは言わずもがなダウンロードコンテンツのことで完成しているゲームをさらにアップグレードしてもっと面白くする買切型コンテンツのことを言うのだ。それを「ロードマップ作ってさらなるアプデを予定してまーっす」とはなんぞや。あまりにふざけている態度である。はっきり言ってゲーマ・買主を馬鹿にしているとしかいいようがない。これであればGearboxにDLC開発を任せずにHopooに任せた方が良かったのは火を見るよりも明らかである。

DLC「Seekers of the Storm」の中身

そのDLCのコンテンツの中身は空けてみたらバグだらけ。実装されたアイテムも杜撰なものが多くなにより「金」グレードの敵が硬すぎるのでプレイ爽快感が全くなくなっているとのこと。確かに昨年年末~今年に入ってようやっとバランスを保つアプデが入ったようだが初動が遅れに遅れたのでゲームそのものの評価も下がってしまった感は否めない。事実DLC発売後圧倒的に好評だった本編の評価が下がっているとする邦語sourceも見つかった。たったひとつのDLCの出来の不具合が本編に大いなる懸念をもたらしてしまったわけである。これほど馬鹿らしいことがあるだろうか?

この問題を解決する簡単な方法

この問題を解決する方法は簡単で独立採算制のHopooスタジオにDLC開発を全権委任すればいいのである。大企業であるGearboxはHopooを民営化して子会社運営方式にすりゃいいのだ。FPS「Borderlands」シリーズでその名を上げたスタジオGearboxだが最近はゲームのマネジメントに徹するあまり最近の開発能力が下がっているのは明白だ。大企業病の名の元凄惨さをさらしているとの批判はでかく他の会社でもこれは同じ構造であることをゲヲログは過去に伝えたことがある。ゲームのIPはマネジメント会社が買収路線で会社の中身に本格的に取り入ってはいけないのである。

『公式の有料DLCが有志のMODのような出来じゃああかんでしょ』

どこかの海外ゲーマの評をSteamer:asobyがそのレビューで伝えたところによる

ゲーム開発三大悪

「Battlefield」や「Call of Duty」も同じで長い間同じIPに同じ会社が関わっていると大体その開発体制は陳腐化して杜撰になっていく。インスパイアされたゲームですら酷評されることが多い昨今現IPは常に捨てられるべきなのである。かつて飯野賢治はシリーズ化・キャラゲー化・移植作品乱発をゲーム開発三大悪と定義したことがある。新作があるからこそ新陳代謝が程よく回りゲームであるがゆえの新鮮さを保つことが出来る。これは考えてみれば当たり前のことである。

飯野賢治を追っかけて

「Civilization」シリーズで一般的に知名度の高いFiraxisでさえ最近は開発能力の平凡化が指摘されておりいずれ作られるであろう「XCOM 3」の行方にさえ懸念が示されているのにGearbox程度の会社がこのぐらいのマネジメントもできないのは当然だ。だからこそ子会社化や社内民営化の必要性をゲヲログはゲヲログなりに提唱してきた。長い間IPに関わっていると弊害もデカくなっていく。このことを生前飯野は「当たり前なこと」と指摘したのであろうがそんな常識を国内外のベテランたるゲーム開発者が意識しておらずSteamerを始めとするレビュアーに納得いく形を提供できないのはあまりに皮肉である。

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